経営者としては、不安感を2つに分けて考えなければいけないと思います。
1つは「根拠のある不安感」であり、もう一つは「根拠のない不安感」であります。
「根拠のある不安感」とは、「何かおかしい!何か怪しい!このままではまずいことになりそうだ」という危機感から来る経営者としての勘です。そこには、考えれば必ず不安の根拠や原因が存在します。
しかし、考えても根拠や原因がない不安感があります。これが「根拠のない不安感」です。この不安感はどこから来るのでしょうか?
大抵は、過去のどうしようもない挫折経験により、私たちの頭の奥にプログラムされた思い癖によるものです。例えば、子供の頃に自分ではどうすることもできない状況で何らかの事故や不幸な体験に突然会うことにより、いきなり何があるか解らないから根拠無く警戒する癖が残ったため、時々思い出したようにその思い癖が発動するもののようです。
但し、この「根拠のある不安感」を「根拠のある不安感」と同じようにこだわる人がときどきいます。これは、あまりおすすめしません。なぜなら、人間というものは言動や思考により、その思考が強化される傾向があるそうです。つまり、「根拠のある不安感」という同じ思い癖を繰り返すと、どんどん強化されて「不安」を感じている時間が長くなってしまいます。
そうすると、個人としても不幸なことですし、常に不安を感じていると過剰にストレスがかかりすぎ、行動や判断に支障がきたすようになります。これでは、経営にも支障がでてくるようになってしまいます。
従って、「不安」を感じたら、その原因や根拠を考えてみて、原因や根拠のない「不安」は、気にしないようにすることが大切なようです。