何とか年商1億円にしたい、持って行きたい。そうすることで社会的認知度も上がり、市場シェアも上がる。事業の第一目標がここにあります。それに、昔は何とか1憶円を達成させようと必死に頑張ってこられたと思います。

特に専門店の場合、1店舗1憶円は身近で大きな夢です。ところが最近は非常に難しくなっている現実があります。それは大手企業が参入してきてシェアを奪われ、計画通りに成長拡大できなくなっているからです。

本当に年商1億円を目指すだけで良いのかどうか迷われている方もおられると思います。あるいは売上だけを目標として良いものかどうか疑問に感じている方もおられます。

昔は売上が上がれば上がるほど効率が上がり利益が出るようになっていました。しかし、今はどうかと言いますと、売上が上がると利益が出るという関係は崩れつつあります。逆に売上は上がっても利益率が下がったり、利益が取れなくなっています。

売上をベースとした戦略に限界が来ているのかもしれません。そこで新たに出ている企業価値指標が営業利益です。償却前営業利益でも良いです。毎年、事業を行いどれだけお金を残すことができたか、それが一番大事になっています。

どんなに売上が高くても利益が出ていないとなると経営は苦しくなります。大手企業でもこの兆候が出て来ています。数百億円の売上で営業段階で赤字というのは考えにくいことですが、現実には起こっています。

今の事業を大きくしないと生き残れないということはないです。それよりもどれだけ毎年利益を出し、プールして行くかの方が大切です。

年商1憶円の企業よりも毎年営業利益で1000万円を出している企業の方が魅力的に見えます。

売上は時流や業界動向の波に乗れば上がることがありますが、利益はそういう訳にはいきません。利益はよく企業体質だと言われます。利益が残るような商売の仕方をしていないとお金は残りません。

もう売上高で企業比較する時代ではないです。おそらく今後、営業利益や経常利益で比較されるでしょう。

大きいだけは自己満足の世界。事業ではどれだけ稼いだかという利益が一番大事だと思います。

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