ポイントカードを発行し、顧客を囲い込み、顧客履歴からデータ分析を行い、商品やサービスに活かす。今まで鉄則のように叫ばれていた手法が、逆に企業を苦しくしているようです。

ポイント制度を実施すれば、還元率を高くして行かないと集客に結び付かないという悪循環に陥ります。よくポイント5倍・10倍セールのようなものが開催されていますが、それくらい還元しないと効果がなくなっているようです。もう3倍では魅力がないとおっしゃる方もおられます。

いつか止めないと利益率を圧迫する。あるいは、利益が出なくなると危機感を抱いておられます。ところが実際に止められた方はあまりおられないようです。止めてしまうと客足が遠のき、経営がさらに厳しくなるのではと危惧されているからです。

これから本格的にボディブローのようにこのポイント還元が効いてくるように思います。

ベタなやり方でポイントカードの発行はせず、またレジでのカード決済もしない地域一番の安さを売りにしている地元の食品スーパーが今絶好調です。景気の悪さもあり、うけているようですが消費者にとっては一番わかりやすいです。無駄な経費をすべて削減して、後は価格を極限にまで安くされています。

ポイントを貯めるという楽しみもあると思いますが、あの店に行けばいつも安くて良いものがある。他の店の2倍くらい買い物ができるというイメージをお客様に持っていただくと得です。後はそれを継続されるだけで繁盛店が出来上がります。

カード決済も同じです。カードで決済すると企業側は手数料が発生します。それに現金がすぐに入ってきません。資金繰りを圧迫する恐れさえあります。

やはり理想は、カード決済やポイントに頼らない経営なのではと思います。しかし、現実的にはカード決済やポイントも最強の武器であることは確かです。それを上手に活かす工夫も必要かもしれません。利益のプールと資金繰りさえ目処が付いていれば良いと思います。

しかし、今一番企業経営で危険なのは利益率の低下です。売上が下がること以上に利益率が低下しているために苦戦しています。そこにカード決済とポイント還元が出て来ると、予測以上に厳しく状況を招きます。

あるべき姿に戻すことも検討した方が良いのかもしれません。カードの普及率が高くなると消費者にとっては良いですが、企業側は負担が大きくなる一方です。

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