当初は、売上が上がるだろうという予測の元、設備投資をされますが、思い通りに回収できていないため苦戦されています。特に大きな投資の場合、10年後、20年後にボディブローのように効いてきます。再生しようと思えば、さらに投資が必要となり、苦戦必至です。

また、設備投資には、補修改修費がランニングコストのようにかかってきます。これも痛いです。当初予定していなかった補修改修がかかってくると経営を圧迫し出します。

そうすると投資は負の財産として残るだけになってしまいます。一度投資したものを後からカットすることはできません。だから投資計画を綿密に作ることが大切になってきます。

20年以上も前であれば、今のように景気が悪くなることは予想できなかったと思います。景気が上向いているので、回収は容易にできるのではと予測されたのではないでしょうか?

それと競合店の乱立も原因の一つです。自社だけが投資をして一人勝ちしていた時代から、競合店の出店によって利益が出なくなっています。

どの企業も売上不振以上に、過去の投資に苦しんでおられます。売上は低迷しても固定費の削減や経費の圧縮で対応が可能です。しかし、過去の大きな投資は、いくら稼いでも元本と金利の返済に追われ続けます。

皆さん返済さえなければ十分に利益は出ているのになぁとおっしゃいますが、無借金経営のところなんてほんのわずかです。自己資本だけで経営できれば理想ですが、それができないために金融機関からの借入で経営をされているのだと思います。

経営のスリム化というのは、組織をスリム化したり、経営規模をスリム化する以上に、借入金のスリム化及び金融機関へ返済のスリム化が大事なような気がします。

経営自体は、アコーディオンのように伸ばしたり、縮んだりすることが可能ですが、返済はそのような訳にはいきません。

だからこそ投資は慎重に・・・
売上が伸び続ける経営計画書を見せていただきますとぞっとすることがあります。10年以上も右肩上がりで数字が伸びています。再投資しない限りそんなことはあり得ないです。

借入を起こすための経営計画になっていると、後から必ず苦労します。今の時代、投資したものは10年で完済できるくらいでないと厳しいと思います。それ以上の投資はするべきではないのではと思います。

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