何もしなくてもお客様が来てくれることが一番。でもそう簡単には行きません。
そのために、顧客名簿作りという戦略を実践されます。

しかし、苦戦しているので顧客名簿を作って、案内を出したとします。どういう現実が待っているでしょうか?

まず顧客名簿作りには、時間と費用がかかります。また顧客名簿の方に対して来店頻度や使用金額によって割引率を高くしたり、クーポン券などを発行すると、粗利は下がって行きます。これは意外な事実です。

食品スーパーなどでもポイント還元を頻繁にやっているようですが、いつも止めたいのですがどうすればよいですかと質問があります。止めてしまうとお客様が来店されなくなる可能性が高いからです。

顧客名簿作りそのものに時間と経費がかかり、さらに名簿客に対して販促活動を行うと粗利は下がって行く傾向にあります。

ただし、名簿客の方が常連客となり、上顧客になっていただくと、客単価や購買金額が上がり、粗利額は上がることになります。客単価や購買金額が上がるだろうという予測の元、顧客名簿の獲得に必死になる理由はここにあります。

実際、苦戦すると、名簿客の方に案内をかけることが有効な手段となります。売上を作ることは容易に行えるかもしれません。ただし、その時は、粗利率や粗利額のことは考えていません。

粗利を判断するためには、1カ月や1年単位で見た結果でないとできないと思います。だから余計に難しくなります。今日や明日の売上が欲しいが、締めてみると粗利は下がっていることがあります。

ということは、顧客名簿作りを行い販促企画を実施するなら、名簿客の方だけでも1回当たりの購買金額や使用金額を上げるか、1カ月当たり利用回数を増えないと良くないということになります。

集客効果や売上だけに目を奪われていると、後々大きな痛手になります。その辺りの工夫や戦略を店側が準備しておく必要があります。

例えば、顧客名簿の方に案内を送ったとしますと、その販促期間中には通常よりも1品当り単価の高い商品を用意し、接客して売ることが大事です。

また案内の内容も通常ご利用いただいている頻度よりも多く来店いただけるような仕掛けが必要です。

顧客名簿作りは集客アップや売上アップの手段としてだけ考えるのではなく粗利との連動で考える必要がありそうです。

粗利が下がっているなら、一度その原因を追及されてみてはと思います。ひょっとすると、名簿客への還元率が大きな負担になっているかもしれません。

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