大手企業には、しっかりとした研修制度があったり、転職を斡旋・サポートするところまであります。自分の能力を高める環境と道具については、自由意思で選べる感じです。それに社内のポジションも多岐に渡り、適性を計って移動なども頻繁に行われます。

会社を挙げて、全従業員の能力発揮のためにサポートする仕組みが出来上がっています。こういうレベルにまで行けば、個々人のレベルアップと意識はかなり高まると思います。

逆に中小企業では、研修制度やサポート体制がないところが多いです。付け焼刃的に、必要と思った時に適宜行っているという感じです。

仕組みが成り立っていないので、従業員もどうやって自分のスキルを高めれば良いのかわかっていません。教えられるのは上司からの業務内容についてがほとんどとなります。これでは目先の業務をこなすだけの人間になってしまいます。

また、社内に能力を発揮できていない人がいたとしても誰も対処法がわかっていません。

なぜそのようなことが起こるかと言えば、人事部がないからです。人に関することを専門に考える部署がないため、社長や幹部の判断で人事を行うようになります。対象者の方の話を聞いてあげたり、適性を考えてあげる余裕がないため、そうなっているようです。

人事部を設けると負担が大きくなりますので、その代わりをしてくれるような人が必要ではと思います。能力を発揮できているかどうかの前に、本人から本音で話を聞いたり、指導することが大切です。

それも上下関係の中で話を聞くとなると、上司の人が部下の方を叱ってしまいます。当初は、本音を聞こうと思っていた会話が、説教に変わります。そんな甘い考えではダメだという言い方になって行きます。そうすると、もうこの面談は破談です。もう誰も面談に積極的に行かなくなるでしょう。

大事なのは上下関係で話を聞くのではなく、一先輩、相談相手のような立場で話を聞くことです。そのような方が社内にいないと、風通しが悪くなります。

能力を発揮させてあげるためには、相手にまず本音でどう考えているのかを聞いてあげて下さい。能力開花のコツは、話を聞いてあげて、胸の中をスッーとさせてあげることです。

心が閉じたままでは、本当の意味での能力発揮はないと思います。つまらないと思う話、まだまだ子供だなぁと思う話、会社のことを考えていないと思うような発言、すべて受け止めて、聞いてあげる人が会社には必要かもしれません。

能力を発揮させるためには、環境や道具以前に、まずこのような話を聞いてあげることです。能力が発揮できていないと思った瞬間、誰かが声をかけてあげて下さい。ただし、会社の上下関係だけは持ち出さないで下さい。

【最新情報はこちらから】経営コンサルタントは武内コンサルティング