企業再生の現場で一番困るのがこのことです。地元の看板企業なので、まさか潰れることはないだろうと従業員の方々が安心されています。

経営状態を伝えた訳でもなく、経営数値を公開した訳でもないのですが、最初から安心されています。そんなに盤石な訳はないのですが、地元の看板企業と言うだけでどこか大丈夫だろうと安心感を持たれているような感じです。

ところが実際は、地方都市の老舗企業や看板企業が一番苦戦している時代です。過去の負の遺産を背負って経営されているというのが実情です。債務の重さで潰れそうになっています。

看板企業ほど、負債が多いのも事実です。その看板が担保のようになって、金融機関からの借り入れが多くなっています。

だから今一番苦しいのは、業績が下がっている企業よりも負債が大きい企業です。金融機関への返済が重く経営を圧迫しているというのが実態です。

でもこのことは、外から見ているとわからないと思います。社内にいる従業員の方もわからないです。

しかし、うちの会社は潰れることはないだろうという変な安心感を持たれると困ります。会社と言うのはいつ潰れるかわからない。そのために必死に頑張らないと自分たちが職を失うかもしれないというくらいの危機感が欲しいです。

看板や暖簾で経営はできません。企業指標としても評価の対象にならないかもしれません。評価されるのは経営数値だけです。看板に甘えた経営から早く脱皮しないといけないように思います。

なるべく早く実情を従業員に伝えるべきかもしれません。隠そうとすると悪い方向に行く可能性もあります。極力、現在どのような状況なのか理解してもらうことが大切です。

その上で、常に危機感を持って仕事をしてもらうことです。もしものことがあるかもしれない、どんなことが起こっても不思議ではない時代であることをもう一度、再認識してもらうことです。

地元の看板企業と言われるよりも地元の優良企業と言われるようになることが大切だと思います。

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