中長期経営計画書を作成する際には、売上を上げるか、仕入れ単価を下げるか、固定費を下げるかと言った議論を繰り返します。

ところが現実的には、景気が悪く、業界動向も悪いため、右肩上がりにはなかなかなりません。昨年度の数字を維持するので精一杯。実際には、ゆるやかに数字が落ちて行く経営計画が合っているのではと思います。

昔の発想で作っているとたいへんではと感じています。中長期経営計画書を作成する際には、中長期的に数字が伸びることを前提に書いていました。でもそのような時代ではないです。安易に昨対の数字を数%伸ばすような計画を立てれば信憑性がなくなります。

銀行のようなプロの方がみれば一目瞭然です。そんな作った数字ではダメですよと言われそうです。

地に足の着いた計画書をやはり作るべきです。

また、中長期経営計画書というのは現業の数字をいじって作る訳ですが、新規事業や新部門の立ち上げという発想がないです。なぜかと言いますと、まだ数字になっていないので書けないのです。どれだけ数字になるかもわからないので書くことを控えます。

本当は、今の事業はどこで頭打ちが来るかを想定したり、あるいは緩やかに売上が下がって行き、ギリギリの分岐点はどの辺りなのか出しておく必要があります。

その上で、事業をどう再デザインし直すかが大事だと思います。決算書の数字を整えるだけでは経営者の方は満足されないでしょう。次のビジョンが欲しくて欲しくてたまらないといった状況だと思います。

経営者にとって夢や希望というのは、黒字状態を意味するのではなく、未来に対するビジョンが見えた時です。

それが見えないからこそ苦戦されています。そのような情報やヒントを与えてくれる方は重宝されます。アドバイスだけでなく一緒になって、作って行ってくれる方を欲しがっておられます。

中長期経営計画書では、見えてこないもの、書かれていないものを考えたり作ったりすることに意義がある時代になったような気がします。

「決算書なんて何度眺めて同じだから・・・
それよりも何か事業継続のためのヒントを持ってきてよ!」
といつも経営者の方に言われていることが耳に付いています。

中身のある経営計画書にするか、計画書にはない事業のヒントを持って行かない限り経営者の方は納得されないと思います。

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