最初は、目先の技術論であったり、小手先のノウハウに興味を示すものです。私もそうでした。少しでも売上につながるヒントがないかと探していたような気がします。

本や資料になければ、実際にクライアント先の現場で探してきます。でもこれが経営コンサルタントの仕事なので当たり前かもしれませんが、今でも必死に探し求めています。

ただし、「本物の経営コンサルタントというのは、小手先の技術論に対する興味が薄れた時だよ」と言われました。当時は何のことやらさっぱり・・・
クライアント先の業績を上げるためのネタ集めのどこがいけないのかと思っていました。

ところがお付き合い企業先が1000件も超えると、違った目で見るようになります。もう少し広い視野で物事を判断したり、そのことに興味が沸いてきます。目先の業績だけではなく、3年後・5年後を見通す力や企業を存続させるためにはどうしたら良いのかを考えるようになりました。

そうすると、数値だけの計画書や話だけではなく、より哲学的な話になって行きます。

経営に対する理念や思想。あるいは会社に対する思いを具体的にどう表現するかなど、哲学的な要素がだんだん出てきます。

本来の会社経営というのは、目先の数字を追いかけるだけではなく、この哲学的な部分を自分の中で創って行くことの方が大事ではないかと思うようになりました。

技術や数字の話をするだけでは一流の経営コンサルタントではないと言われます。自分で培った自信のあるノウハウを持っていても同じです。そこから、会社経営にとって何が大事なのかを伝える力が大切だと思います。

最近、この本を読みました。
「社長になる人に知っておいてほしいこと」松下幸之助[述] PHP研究所[編]

素晴らしい経営者の方ほど、技術論的なことは書かれていません。自然とそうなるのだと思います。おそらく興味の範囲が変わってくるのでしょう。

わたしもそろそろ注意して、舵を切ろうと思っています。腕の良いコンサルタントというのは、技術・ノウハウを持っている人ではなく、会社を診れる人のことを言うのではと思います。

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