一度でも撤退した経験があること。成功したことしかない人は危険です。
受験に失敗したことがないのと同じ。エリートでは中小企業の経営は難しいかもしれません。

撤退すると、会社に傷が付く、自分のプライドが許さない。世間体が気になる。と言っていたら最悪の状況になります。

それに一つや二つの事業を撤退したからといって会社がどうこうなる訳ではないです。人生の中で成功したことしかないという人はいないでしょう。今の成功も過去の失敗の経験から来ているはずです。

だから怖いのです。今まで一度も大きな失敗をせずに来られた方が、小さな失敗が起きた時に対処できないのです。

実は優秀な経営者ほど、失敗の数が多いようです。それが糧になっています。人に直接言っていないだけであって、大小様々な失敗はされています。

企業再生の局面にまでならないと事業縮小できないというのは、過去に撤退経験がないからです。

これから先、失敗したことがない方ほど苦労されると思います。躓いた時の対処法を知らないからです。決断したことがないからです。

部門別損益を出しみて、赤字部門があればどうするのか、早めに対処することが必要です。

新規事業であれば数年間の赤字も許容範囲でしょうが、古くから事業を行っているものについてはジャッジが必要です。

スクラップアンドビルドを適正に行えることが経営者には求められます。特にスクラップについては勇気がいります。自分ひとりの判断ではできないこともあると思います。でも今やらないとたいへんなことになるかもしれません。

過去に失敗経験のある方ほどやはり強いです。腰が座っていて、淡々とジャッジをされます。

どんなに能力が高く優秀な方でも失敗した経験がない方に経営はできないかもしれません。

過去の失敗が今を助けてくれています。古い事業ほど、そろそろ決断の時ではないでしょうか?

自分が決断しないと、負の遺産を次の世代に残すことになります。
名経営者として名を残すなら、撤退の腕も見せる必要があるのではと思います。

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