ある程度レベルの高い人から見ると、常識的なことや当たり前のことは評価項目に入れるのはおかしいのではとおっしゃいます。その通りだと思います。

あるべき姿はそうかもしれません。しかし、今の社内のレベルを計って下さい。レベルの低い人がいるなら、その方にも合うように作らないと、適正な評価ができません。

人事考課の導入時や改定時には、最低レベルの評価項目からスタートし、徐々にレベルを上げて行くのが理想です。社内の浄化を図ることです。

また、評価項目には一般的な項目を当てはめるだけでなく、現状できていないことをあえて入れて下さい。

例えば、日報の提出率や届書類の提出率が悪いのなら、それを評価項目に入れるのです。当然、提出していない人は評価が下がります。

しかし、社員からは日報の提出で評価されるのは嫌だとか、変だというのはおかしいといった声が出てきます。そんなことでマイナス評価されたくないと言いたいのでしょう。

でも基本的なことや常識的なことができず、ただ数字を上げているからと言って社内で胸を張られても困ります。これは会社の方針なのですから・・・

社員が嫌がるような細かな指摘点をあえて評価項目にして是正しないと、注意しても空返事、いっこうに改善されません。だから、評価項目に入れて、やっていなければ査定が下がりますよ。査定が下がるということは、基本給やボーナスも下がるということを示すべきです。そうしないと、直らないものです。

出来の良い方ほど、歯がゆい思いをしているはずです。もっとレベルの高い評価項目で私を評価して欲しい。出来ていない部分は指摘していただければ、善処するのにと思っておられます。

でも少し待って下さい。会社のレベル感に合わせることが大事です。焦ってもしようがないです。

会社というのは、出来の良くない人をどうやってレベルを上げるかが一番大事だと言われます。理由は、出来の良い方は、ほっておいても自分で勉強して成長してくれからです。でもそんな人は少ないから、人事考課が必要になってきます。

出来の良い人や意識の高い人に人事考課はいらないのかもしれません。社内で一定のレベル感を保つために人事考課は活躍しそうです。