各企業へ訪問させていただきますと、当然数値資料をお預かりいたします。その中には決算数値もありますし、部門ごとに作成された内部資料もあります。

ところが各々の数値にズレが生じている場合が多々あります。そうすると決算書の数値はどこから出てきたものなかのか後追いが必要になってきます。

当然、内部資料作成者の方は利益が出ているものとして考えておられます。でも決算書の数値を見ると利益が少なかったり、出ていないことがあります。

内部資料で利益が出ていたとしても本社経費や共通配布経費が入っているかどうかチェックする必要があります。自分たちの部の経費はまかなっていても全社的な経費を案分するとどうなるのか、そこまで見ないといけません。

よく私たちはこれだけの利益を上げていますと部門長の方がおっしゃいます。
一見、正し発言のようにも見えます。利益を出されているのですから・・・

しかし、よくよく考えてみると、視点が自分の部署になっています。全社レベルのものではないです。そこに落とし穴があります。

話の筋道が逆転しいています。会社側からこれだけの数字を出して下さいと言われた数字に対して、再度検討を図り、目標数値を決定しないといけません。その中には、全社経費なども含まれたものです。

つまり部門長の方から上がってくる数値と言うのは、各部門が稼いだ売上や利益です。頑張っているように見えて、会社というのは本社経費や本部経費と言うものがかかってきます。そこまで見て、数値予算を立てていないと、本当の意味での利益が見えてこないです。

これが現場で起こっている一番の誤解です。皆、売上を上げている、利益を出していると思っています。ところが決算書の数値では赤字になっているとがっかりします。自分たちは努力しているのに、他の部署が良くないとか、本部が
経費を使い過ぎだという議論になります。

各部からの積み上げ方式で予算を立てているとこうなります。
だから会社からこの数値をやって下さいと、各部門に数字を出すべきです。諸般の事情から様々な諸経費が会社にはかかっています。それを折り込んだ数字を伝えた方が良いのではと思います。

結局、赤字になると犯人探しになります。誰が悪いのか、どこが悪いのかとなります。自分たちは頑張っている、正しいと思いこまないこと。

会社の視点で、資料を作ったり、努力目標を立てるべきです。
逆に、決算書との数値のズレがどこから生じているのか、それをつかんでおくことが部門長の役割だと思います。