食べきれないだけの量を出す。
これが基本。
通常のレストランメニューとは違います。

先日もとあるホテルの料理長さんが同じことを言っていました。
婚礼の場合は、お客様が食べきれないだけ出す。食べきれていないことの方が良いと・・・

婚礼部門をお持ちのホテルは、必ず宴会・バンケットをお持ちです。
ところがこの宴会・バンケットでは、お客様の予算とお腹具合に合わせて量を出さないといけません。食べきれないだけ出すと、原価コストは上がってしまいます。

でも婚礼のコース料理も宴会メニューも同じ調理人さんが基本的に作られます。
上記のことをしっかりと伝えておかないと同じメニューづくりになってしまいます。

金額や皿の数を言っているのではなく、どういう意図を持って作ったり、出したりするかが大事だということです。

このことを理解していないと厨房は工場になってしまいます。
お客様の顔が見える商売をするというのは、このことを言っています。

婚礼メニューと宴会メニューの中身についても根本的に違うものを作るのが理想です。婚礼で出したものを宴会で使い回すのは、原価低減には貢献しますが、商品の価値を落とすことになるかもしれません。

婚礼の時にしか食べれないメニューであって欲しいです。
それもいつ来ても斬新で、びっくりするような、思い出に残るものを何か一品出して欲しいです。

料飲単価が落ちてきているという話をよく聞きますが、それは景気が悪く単価が下がってきたのではなく、メニューに対する思いや開発努力が欠けてきたためにお客様に支持されなくなっていることの方が大きいのではないでしょうか。

良いものを出せば、必ずお客様はご理解されます。
何度も利用されているところで、またこの料理かぁでは興ざめです。

婚礼で出すものは、どんなものなのかもう一度考え直す必要がありそうです。
効率や原価を追いかけるのではなく、ハレの場の料理。
一工夫欲しいです。

挙式が良くても料理負けしていたらたいへん。
リピーターは付きません。

料理長さん!
あと5%原価をかけていただいて良いです。
きばって良いもの出して下さい。