いきなりの電話。

「店長候補の方を面接しています。うちに店長として入ってもらおうと思っているのですが、前職で焼肉店の店長らしいです。彼曰く、その店は人時売上高が8000円と言っているのですが、そんな店あるのですか?」

ひとつは、客単価の高いお店ならありうるでしょう。全くないとは言えません。
私も過去に大阪府内で客単価6000円強のお店にお伺いしていた経験があります。それ以上の客単価のお店ならありうるかもしれません。

もうひとつは、土日の忙しい時の数値かもしれません。

経済書の指標には、4500円から5000円くらいが必要と言われていますが、現実的にはこの数値をクリアするのは難しいです。

また、人時売上高が5000円以上超えているとなるとまた別の問題が発生します。
それは、人時売上高が5000円を超えると、お客様に迷惑がかかっているかもしれません。人の数が少なすぎるということです。特にホールでのサービス係が極端に少ない場合なども考えられます。

だから、一概に人時売上高が高いと言って喜んでおれません。お店ごとに適正数値を出す必要があると思います。

もっと良くないのは、人時売上高の数値を良くするために、店長が自分の時間を入れなかったり、残業時間を入れなかったりなど、意図的に数字を作ることです。

人時売上高はあくまでも指標の一つです。その数字から何をつかみ、どう対処するかは店次第です。

だから私がお手伝いさせていただいた飲食店の評価制度の中の人時売上高の項目は、一定の数値を超えると、マイナス評価になるようにしています。
例えば、5000円以上になると、評価は下がります。理由は、適正な人員配置ができていないと見るからです。

土日、祝日の瞬間的な5000円以上というのはあるでしょう。
しかし、ひと月通して、5000円以上となるとそれは異常です。お店に何か問題有りと判断します。

だから、数値は鵜呑みにしない。自分の店で活かせる目標数値を掲げ、運用することです。

経営に教科書なんてないです。店ごとに経営は違います。
自信を持たれて、自分の店の経営指標を作って下さい。