政府は、公共事業の「建設」から「維持管理」へと大きく政策を転換していく立
場を明らかにしている。道路、橋、ダム、空港、港湾等の建設に力を入れて、補修・
点検ををおろそかにしてきたため、危険な構造物が多いという。

 日本の公共事業が造ることのみに熱心で、「維持・補修」などの地味な作業には
関心を持とうとしない政治家と官僚のせいだと指摘されている。

 政治家は自分の手柄にしたいし、官僚にとっては予算のパイを確保することが省
益拡大につながるからだと言われている。ここには国家の大計や国民の利益などへ
の配慮はみじんもない。

 建設業者も新しく造ることにのみ熱心で、維持・補修に転換できていない。それ
は国の政策がそうなっている以上仕方のないことだ。

 同じことが、マンションの建設にも言える。国の住宅政策は、新しくマンション
を建設することのみに向かっている。景気対策の一環として税制等で優遇して促進
している。それ自体がすべて悪いことではない。

 ただひたすら新築することだけに目を向けて、中古の住宅に対する国の配慮が足
りないことが問題だ。マンションも築50年を過ぎると建替えを考える。国の政策が
そうなっているから、自治体の考えも同じような考えに傾いている。民間がそれに
従っているのは当然といえる。

 マンションはちゃんと補修・管理すれば軽く100年は持つといわれている。それ
を半分も満たない期間しか使用せず、取り壊すということは無駄以外のなにもの
でもない。

「スクラップ&ビルド」の繰り返しはそろそろ止めよう。しかも、マンションを
含め600万戸以上の住宅が余っていると言われている。ここらで、中古マンション
を有効に利用する方向に国の住宅政策の転換が必要だ。国の援助によって促進して
ほしい。

 若いサラリーマン夫婦向けに中古マンションを整備して供給すべきだ。仕方なく
値段の高い新築マンションを買い、重い住宅ローンに苦しむことのないようにしな
ければならない。

 マンションは、間取りの変更が容易だと言われている。建物を支える構造体は変
更できないが、間仕切りの壁などをすべて取り払うこともできる。若夫婦向け、バ
リアフリー化で高齢者向け、単身者向けなどに変更して、売買や賃貸市場に容易に
出るような政策を進めるべきだ。ようやく新政権になって、「新築より賃貸・リフ
ォーム」に転換したが、期待したい。

 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/