管理費・修繕積立金(管理費等)について、6ヶ月以上滞納しているマンションが
全体の24.5%もある。1年以上滞納しているマンションは17.7%である(国土交通
省 平成20年度マンション総合調査)。

 管理費等は、5年で消滅時効にかかるというのが、判例である。何もせず、5年間
放置すると、支払期日から5年を経過した管理費等は時効で消滅する。途中でマン
ションの所有者が変更した場合も、そのまま適用されるので、注意が必要だ。

 管理会社との管理委託契約で、管理会社が滞納についてどこまでやるかをきっち
り把握して、それ以後については、管理組合の理事の責任で対策をとらなければな
らない。管理会社が何でもやってくれると思っていませんか。そうではないことを
理解しなければならない。

 滞納する理由は様々であり、それぞれに応じた対策をとる必要がある。1年以上
の滞納について何の対策もとらずに、次の理事に引き継ぎをするというのは、理事
の怠慢以外のなにものでもない。

 滞納に早く対応すれば解決できたのに、ずるずると引き延ばしているうちに、解
決が困難になってしまうということがよくある。こういうことは早く対策をとるこ
とが絶対に必要だ。

 滞納額が大きい場合で、相手が支払う意思があれば、分割にする等の話し合いを
しなければならない。分割払いの合意があれば、それを書面にして滞納者に署名押
印をしてもらう。そうするとそれは債務者の承認となり、時効が中断する。

 事案によっては、訴訟によって強硬な手段を取ることも必要だ。その訴訟にも色
々なものがある。最終的には、滞納者の区分所有権の競売請求をすることができる
場合がある。訴訟までくると専門家に相談する必要がある。

 そもそも、管理費等の滞納を5年も放置して時効で消滅させてしまうということ
はあってはならないことだ。このような場合には、管理組合は、理事又は理事であ
った者に対して損害賠償の責任を問えるだろう。

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