マンションの管理に関する関心が高まり、国や自治体もマンションの管理につい
て本腰を入れて対策を立てるようになった。そこで、マンションに関する相談会が
よく開かれるようになった。

 マンション管理士としては、相談者の話しを聞いてそれに対して答えるのである
が、相談者の話しを鵜呑みにするのではなく、こちらからも質問しながら、相談の
問題点を明らかにしなければならない。

 なかには、自分の都合の悪いことは伏せて相談することもあるし、本人の思いこ
みで事実に反することを前提に相談することもある。

 こういうときは、我々の回答は的を得たものにはならない。相談者の言うことに
対する回答であり、真実の問題に対する回答ではない。だから、相談者の言うこと
が真実であるとすれば、こういうことになるという回答である。

 これはあらゆる相談事に言えることであるが、「専門家に相談したらこう言った。
」と言って自分の主張の正当性を主張する人がいる。しかし、往々にして、その質
問自体に問題がある場合があるのである。

 相談を受ける我々も相談者を疑うわけではないが、「貴方が言う通りであれば、
こうなる。」ということを常に意識して回答しなければならない。

 なかには相談というより、自分の思いを聞いてほしいという内容の相談(?)が
ある。一方的に自分の思いを喋り、こちらの意見など必要ないという感じである。
一応、こちらの意見を聞いているように見えるが、全く無視して自分の考えだけを
述べる。

 我々としては、こういう場合も丁寧に聞いて相談にのらなければならないであろ
うが、そういう度量のない私などはついつい顔に出でしまう。同僚にはそういう人
にも全く変らずに回答する度量のある人がいる。見習わなければと思う。

 相談に対する回答があつたとしても、最終的には相談者が自分で判断して、自分
の責任で決めることである。それが相談事である。もし、疑問があれば再び相談す
るなり、他の人に相談するなりする必要がある。

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