大部分のマンションがいずれ修繕積立金の不足の問題に直面すると言われている。
このことは過去に何べんも指摘してきたが、非常に大事なことなので、何べんも言
う。

 分譲会社は、新築のマンションの分譲時に、修繕積立金を低く抑えている。分譲
会社としては、その方が販売しやすいからだ。だいたい6,000円ぐらいに設定して
いる。これは横並びであり、何の根拠もない。このままの金額では、実際に必要な
修繕積立金が不足することは目に見えている。

 マンションの管理会社も、管理費の増額は提案しても、修繕積立金の増額は提案
しない。これを提案すると、管理費の減額を要求されるおそれがあるので、だんま
りを決め込んでいる。

 新築のマンションもあり、10年経過したマンションもあり、20年、30年経過した
マンションもある。それぞれのマンションにおいて、将来どれぐらいの修繕積立金
が必要であるかをしっかりと把握する必要がある。

 そのためには、マンションの長期修繕計画をしっかりと立てる必要がある。この
点については、財団法人マンション管理センターにおいて、その作成方法等を支援
しているので、是非参考にして欲しい。インターネットで簡単に検索できる。

 同時に建築士等の専門家に依頼して、しっかりした長期修繕計画書を作成するこ
とが必要であると考える。また、定期的に、一度作った長期修繕計画の見直しも怠
ってはならない。

 この長期修繕計画ができてこそ、今後の修繕積立金がいくら必要かがわかってく
る。そして、修繕積立金がいくら不足しているかがわかれば、その対策を立てなけ
ればならない。

 そのために、修繕積立金を一気に増額して毎年均等な額を積立てるのか、段階的
に増額して積立てるのか、一時金を積立てるのか等、その対策を立てておかなけれ
ばならない。小規模マンションであれば、自主管理に移行して、余った管理費を修
繕積立金に回すことも選択肢の一つである。

 マンションはちゃんと修繕して管理すれば、100年ぐらいは軽く持つと言われて
いる。今から、修繕委員会を立ち上げるなりして、マンションの住民が、自ら修繕
積立金の不足問題に取り掛からなければならない。

 マンションを終の棲家とする人が多くなっている現在、マンションの住民が積極
的にマンションの管理について取り組まなければならない。他人任せにすると、必
ず将来に禍根を残すことになる。

 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/