国土交通省の標準管理規約では、理事の任期を2年として、1年ごとに半数を改
選する方法を勧めている。しかし、現実は1年として、全体を入れ替えるところが
多い。

 平成20年度の国土交通省のマンション総合調査によると、役員(理事)の任期
を1年としているマンションは約66%になっている。2年としているところは約30
%である。

 管理組合にマンションの管理を自分たちでするという意識が乏しく、その管理
を管理会社に任せきりにしていたころは、理事は名ばかりであったから、任期を
1年とし、ごっそり入れ替えることにしても、その不都合はあまり意識されなか
った。

 しかし、最近は、マンションの管理組合の意識が高まり、その理事たちの管理
意識もずいぶん変化している。

 あるマンションで、理事会が管理会社に促され、大規模修繕するこを総会決議
し、理事全員が退任した。ところが、新しく理事になった人たちが、その大規模
修繕を時期尚早と判断して、工事を先延ばししようとした。これは良くある前年
度理事会と次年度理事会の意思疎通のトラブルだ。
 これに対して、管理会社は、総会で決議した以上、工事を実行しなければなら
ないと言った。
 
 法的には管理会社の言うことが正しい。管理会社としても、自分たちが主導し
た修繕工事であり、当然に利益がからむから必死だ。
 このような場合、新理事たちは、総会の決議に拘束されるから、大規模修繕を
中止するためには、新たな総会決議を要する。しかし、一旦決議したことをひっ
くり返すのは、なかなか困難であろう。

 そもそも理事の任期を1年とするのは、管理について問題点がわかったころに
交代しなければならないということになり、短かすぎる。任期はせめて2年にす
べきだ。
 そして、理事の半数を改選するということにすべきではないか。そうすれば、
前の事例では、修繕の計画をした理事とそれを実行する理事の半数は同じとい
うことになり、前年度理事会と次年度理事会の意思疎通のトラブルを防止する
ことができる。

 もちろん、これには管理規約の改正が必要だ。
 
 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/