30戸ぐらいのマンションでもその管理をマンション
 管理会社に委託しているところがある。分譲の当時
 から分譲会社の系列の管理会社が管理していると
 いう例がほとんどだ。

  だから、管理組合においていまさら管理会社を変
 更したり、自主管理に移すということは、よっぽどの
 ことがない限りなされない。

  小規模のマンションにおいては、管理費の額は少
 人数で負担するため、一般的に高くなっている。
  ある小規模マンションは管理費等として、15,000
 円とし、通常の管理費を約1万円、修繕積立金を約
 5千円としている。

  その他に駐車場代金を通常の管理費に回して、
 月々の管理費が35万円を超えている。年間にする
 と、約430万円を管理費として管理会社に支払って
 いることになる。

  これに対して、修繕積立金は年間150万円程度
 だ。10年たっても1,500万円にしかならない。これで
 はろくな修繕はできない。

  新築の間は修繕の必要性はあまり問題にされな
 いが、そのうち、必ず、修繕積立金の不足が問題に
 なってくる。早く手を打たなければ手遅れになる。

  そもそも、このような小規模マンションにおいて、
 管理会社に管理を依頼する必要があるのか。管理
 人の勤務時間を見ると、1日4時間ぐらいだ。それも
 土日と祭日は休み。これなら管理人は不要だろう。

  もちろん清掃や管理費の徴収、帳簿の記帳等も
 管理会社がすることになっているが、それにしても、
 月々35万円を超えるのは高すぎる。

  こういうところは、思い切って自主管理にすること
 を勧める。

  自主管理をして、エレベーターの点検や消防施設
 の点検、受水槽の洗浄、マンションの玄関・廊下・
 庭等の清掃等をそれぞれの業者に直接頼むと良い。

  小規模のマンションであれば、年間100万円未満
 で足りるはずだ。
  それに、電気料金、保険料等を入れても、150万
 円あれば十分足りる。

  ただ、自主管理にすると、マンションの理事の負
 担が多くなる。これを補うものとして、マンション管
 理士等を活用すればよい。

  マンションの全般的な管理について、顧問契約を
 して、理事会や総会に出席してもらい、アドバイスを
 受けたり、帳簿の作成や管理費等の滞納について
 アドバイスや援助をしてもらうのである。
  
  マンション管理士等にどこまでやってもらうかによ
 って、支払う顧問料は決まる。そこのところは、事前
 に十分話し合って、どこまでやるかを書面にして契
 約をすることだ。

  マンション管理士等に支払う額を入れても、自主
 管理にすると、管理会社に管理費として支払う額の
 半分もかからないと思う。

  余った管理費を修繕積立金にまわして、将来の
 修繕に備えることが、そのマンションの価値を高め
 ることになる。快適な居住環境の維持継続のため
 には、十分な修繕積立金が絶対に必要なのだ。

  重ねて言いたい。小規模なマンションにおいては、
 自主管理を勧める。 

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