4月17日から、春の土用の入りになります。
春の土用は、立夏前の18日間、すなわち、4月17日から5月4日までです。

春の木気から夏の火気に移行する間が、春の土用の期間ですが、春爛漫にして終わる期間です。
「土旺用事」の略が「土用」で、土気の支配する期間ですので、土の憂悶、脾胃の患いに要注意です。

古く陰陽道では、土用の期間は土公神(どくじん)といわれる土を司る神の支配する時期とされましたが、
土を動かす作業 (柱立て、基礎工事、壁塗り、井戸掘りなど)を忌む風習は、現在でも残っていますね。w

ただし1年の中四季の土用は1/5の期間、これら作業が出来ないことは社会生活上不便も多いことから、方便として「間日」と呼ばれる日が設定されていて、間日の間は土公神が地上を離れるので、 土を動かしても問題がないとされていました。

春の土用は、巳・午・酉の日が間日ですので、工事などの着工が気になる方は、4月24,25,28日にするといいですね。

土公神なんて言うから迷信となるのですが、土気の盛んな期間には土を休めることが、自然への配慮。
農業や林業の知恵でもありましたが、私たちの健康生活にも採り入れるべき理がありますよ。

春のも木気は風が害悪になりますが、土用は土気が盛んになり、湿が毒になります。
土公神(どくじん)、まさに湿毒かも?w
土気の脾・胃の気が滞らないよう、人体では脾・胃を弱らせないよう、消化を良くし、体の水はけを良くしましょう。

土の湿気は日本の風土上溜まりやすく、日本人のほとんどの生活習慣病は、湿毒といえます。
一旦溜まった湿邪は、人体を池に例えると、底に溜まったヘドロのようなモノで、除去に手間取ります。
^^;

陰陽五行を基礎とする漢方では、有り余れる邪毒は瀉し、足りず欠けてる生気を補うことが基本です。
土用の期間は心して、胃や消化機能に負担をかけないよう、体に湿邪を溜めないように代謝を良くしましょう。

人間の体の大部分は水でできていて、人体の60兆もの細胞は内も外も水分で満たされています。
血液は体のすみずみまで行き着くと、濾過されて組織液となり、細胞組織の間に入り込んでゆきます。
この組織液によって栄養物は運ばれ、周辺の細胞に吸収され、その代わりに、細胞の老廃物が水と一緒に送り出されます。
ですから、水を飲まないと老廃物が排出されず、体の水はけも悪くなります。

私たちが普通に生活をしていて体から失われる水分は2.5リットルです。
意識せずに吐く息や汗などで体外に出ていく分が1リットル、尿によって1.5リットルが排泄されます。
そのため、食事なども含めて一日2.5リットルの水分補給が必要となります。

食事でとれる水分は1リットルほどです。
体内での栄養素から生じる水分0.3リットルなので、一日に必要な2.5リットルからこれらの分を引いた
約1.2リットルの水分を水やお茶などで補えばいいのです。
この1.2リットルの水分を、一日のうち6~7回に分けて、一度にガブ飲みせず、ゆっくり飲むことが効果的です。

40歳以上の人が水分補給しないと怖いのが、水分不足で血液が固まりやすくなり、血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞などの発作を起こすことです。
寝ている間は水分補給ができない上、コップ一杯以上もの量の汗をかいて、なおかつ呼吸でも水分を失います。

起床後三時間は「魔の時間帯」といわれるのですが、これは起床時の血液が粘っこい状態で運動などをすると、心筋梗塞や脳梗塞が多発し、命取りになるからです。
そのため、眠る前と、朝の起床時にコップ一杯の水を飲むようにしましょう。

水を飲んでるのに浮腫むのは、明らかに水はけの悪くなってる証明です。^^;
セリ、ミツバ、レンコン、ワサビ菜、水菜などの水辺の植物や海藻をよく補い、水の代謝を良くしてください。水と気の運行を司る腎が、土用で土剋水で傷められないよう、豆腐、納豆、高野豆腐などの大豆製品を摂ることが腎をよく強化しますよ。

5月5日の立夏からは、いよいよ夏の気が立ち初め、火気の盛んな候になります。
春から夏への季節の変わり目、春の土用に季節に適応する気を養いましょう。

補うとすれば、枯渇した秋の気です。
夏の土用(未月)に対冲の丑の日を選んで、元来は冬の旬であったウナギや黒いものを補ったように。
その理でいえば、春の土用(辰月)は、対冲の戌の日に、レンコンや大根などの白いものを補うことが効果的ですよ。

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