2011年 12月の記事一覧

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11年12月19日 03時00分19秒
Posted by: acquaint
日本企業のアニュアルレポートでは、当期の決算数値についてはドル換算数値も表記されています。

海外の株主、投資家向けの資料なのだからドル表記は当然のこと、

ですが、海外のドル以外(米国以外)の国も同様に自国通貨とドル換算値を記載しているかといえば、必ずしもそうではありません。

まず、ユーロ圏の企業。ユーロだけの表記がほとんどです。
まあ、ユーロですからね、納得できます。

韓国。SAMSUNG ELECTRONICSの2010年版のアニュアルレポートの財務諸表はウォンが2期表記、ドルも2期表記。日本では前期についてはドル表はしませんね。財務の注記の表組の数値はウォンのみ。

ヴェトナム。以前メルマガで取り上げたVINAMILKのアニュアルレポートはドン(VND)のみの表記。

円高に苦しむ日本企業は輸出の売上高が減少し、海外事業の外貨建ての決算を円に換算して利益が目減りし、それらをまた外貨(ドル)に換算し直してアニュアルレポートに表示している。

日本企業のがんばりが実を結ぶために、ハンディキャップを少しでも減らす国の施策はまだですか?
11年12月19日 02時57分40秒
Posted by: acquaint
アニュアルレポートの英語の作成方法は大きく二通りあります。

翻訳とライティングです。

今回は英語翻訳のケースを見てみましょう。

翻訳は言うまでもなく、元となる日本語原稿があることが大前提です。日本語版のアニュアルレポートを発行している場合は、日本語版の原稿が元原稿になるケースが多いでしょう。

翻訳の注意点は、翻訳についての考え方です。翻訳をする際の訳し方があまりに直訳だと、英語としては不自然になります。

よい翻訳は元の言語の内容を正しく伝えつつ、文章として自然な文章になっています。

いわゆる直訳っぽい英語は、日本人からするととてもチェックしやすい文章になっています。ということは英語として読むとちょっとぎこちない文章になります。海外の新聞を見て下さい。単語の意味がわかったとしても、なぜそうなるのか、という単語の使い方、文章の書き方になっていますね。要は英語的な英語になっているのです。ここのところがチェックしていて最も悩まれる部分だと思います。当然だと思います。

ここは、翻訳者にどんどん質問して欲しいのです。しっかりした翻訳者であればちゃんと理由をいっていくれるはずです。直訳っぽい英語にする理由は、翻訳者が楽だからです。お客様の質問への回答という手間を惜しんでいるのです。

ちなみに弊社の翻訳原稿はワードの原稿の半分近くがコメント欄で埋まっていることがよくあります。翻訳者がなぜこういう文章にしたかを説明し、また、お客様に対しても質問をしているからです。このような相互のコミュニケーションを取りながら原稿を作成していくことで相互に理解が深まるのです。
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