はっきり申し上げますと、人事諸制度の改革を行っても業績は上がりません。このことは、いつも着手する前に確認させていただいています。社内であいまいだったものが明確になるというレベルになるだけです。どんな素晴らしい仕組みやシステムを導入しても同じです。

ところがクライアントの方々からはそれでは意味がないので、何とか業績が上がるようにする方法はないですかと相談があります。

会社がある程度一体化していて、従業員の方の理解も得ることができるレベルであるならば、業績に結び付ける方法が一つあります。

それは、みんなで作ることです。社長や幹部や人事担当の方が中心となって作るのではなく、社員全員で作ることです。社員全員となると話が大きくなり過ぎますので、有志の方とご理解下さい。

有志の方に集まっていただき、人事制度改革の主旨をお伝えさせていただきますと、自然に以下のことに対する質問が出てきます。
★自分たちの給与はどのように支払われているのか?
★その原資はどこから来ているのか?
★安定した給与をいただくためには、どれだけの売上・利益が必要なのか?
★給与を算定するための基礎的な経営指標はどのようなものがあるのか?

給与・賞与の支給が滞りなく支払われるためには、どのくらいの数字を毎月揚げていかないとダメなのかがわかってきます。これだけでもかなり勉強になると思います。目先の業務をこなすことで精一杯だった社員の目が変わってきます。

そこからさらに、どのように評価されるのがベストなのか自分たちで勉強して答えを導き出そうとします。なぜそこまでするかというと、理由は簡単です。自分の給与に直結するからです。だから皆、必死になります。

後は会社側が意図しているところとすり合わせを行いながら、必要数字を提示したり、目標数字や中長期の経営計画について説明できれば理想的です。

自分の会社だ!とか、自分の給与は自分で守る!
適正で公正で若い人たちにも夢が見えるようにしたい!
というような思いが強くなってくれば、良いものが出来上がるのではと思います。

人事制度改革で大事なのは、従業員の方の心にスイッチを入れることです。会社や社長、人事部が当たり前のように作った完成品では、心が躍りません。

出来が悪くても自分たちが忙しい時間を割いて作ったんだということが大切です。

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