「武内さん、腕の良い職人は山ほどいますよ。でもその中から独立開業できる人はほんの一握りなんです。」とおっしゃいます。

腕が良くてもダメ?
これが飲食業の開業に当たり難しいところです。皆さん、いろんなところで経験を積まれたり、修業されて腕は当然プロです。ところが、その腕だけを持っていても開業して上手く行かないそうです。

勘定ができないとダメだと皆さんおっしゃいます。勘定と言っても経営数値のことです。数字が見れないと経営できません。小さな個人店であっても同じです。

寿司店の若手を見ているとわかります。最初はオーダー取りと〆の勘定が担当です。お客様がいくら召し上がったのか、正確に出さないと行けません。電卓を一所懸命叩いていますが、そのうち暗算でできるようになってきます。そうして店の売上についてわかって行きますが、肝心の経営については誰も教えてくれません。

やってみないとわからない。どんな支払はいつ発生するのか、経営者になってみないとわからないと思います。

助成金や補助金が出たり、資金があったとしても成功はお金だけではないようです。

よく見られる光景は、経理や勘定は奥さんが担当。ギュッと締めておられます。帳面を付ければわかることです。だから男の方が開業される場合、いつも聞くことがあります。「経営や勘定はどなたが見られますか?」と・・・

本当に開業するとたいへんなんです。仕入れはあるは、支払はあるは、営業もしないといけない。人の3倍働いても時間がないくらいです。

だから、数字をしっかり見れるようにすることです。開業本も何冊も出ていますが、時系列に何がどのように発生し、どのように苦戦し失敗するのかは書いていません。開業までの準備のノウハウはありますが、開業して軌道に乗せるまでのノウハウは書かれていません。

自分で経験して学んで行かないとわからないということなのでしょう。
私も個人的に開業してから軌道に乗せるまでのノウハウ本が欲しかったくらいです。何がどう発生してくるのか、特に税金関係は全くわかりませんでした。

だから、税理士の先生に、年間の発生する税金のメモを書いていただき、大切に保管し、毎月見ています。

年金や保険料も納付しないと行けません。個人事業主は、お金に余裕を持っておかないと、いついかなる出費が発生するかわかりません。

その日暮らしでは、いつかショートします。そのことも踏まえて、余裕を持った資金繰り計画を組むことが大切です。仕入れも枠を決めてください。キャッシュアウトするものを押さえて行かないとお金は残りません。

そのことに気付いた時、小さなハードルを越えることができるのだと思います。

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