自分の給与や年収は関係ないようです。定年が来るまでになんとか会社を立ち直らせたいという強い気持ちを持っておられます。

自分の会社を立ち直らせるのだから当然と言えば当然ですが、明らかに目的はお金ではなくなっています。必要最低限の生活ができればそれで好し。後は、今の従業員が生活できるように何とか軌道に乗せたい。その一心で頑張っておられます。

経営数値上ではかなり危機的な状況でもこのような姿勢で経営に当たられていると周りが支援してくれます。銀行もほっておくことはないでしょう。逆に何かと銀行側でお手伝いできることはないかと、聞きにこられるくらいです。

企業再生の局面では、トップや経営幹部は、高給与を取ってはいけないと正直思います。軌道に乗るには何年かかるかわかりませんが、経営者としては毎月の報酬をアテにして経営していては難しいと思います。

経営者というのはお金以外に大切なもの、守らなければならないものがあるはずです。どこまで削れば良いかではなく、必要最低限の生活費だけで凌ぐ勇気があるかどうか?

お子さんも社会人になられ、生活には困らない。でも従業員の将来が心配だ!このことを解決せずして引退はできない!とおっしゃいます。

もう自分のことではなく、本当に会社の存続に全精力を傾けられています。もし理想の形の出口に到達しなくても社員の方々はおそらく納得されるでしょう。

トップや経営陣の姿勢が一番大事です。外から見ても社員の方々から見ても頭が下がるような行動を取ることです。

もう少しはっきり言いますと、従業員よりも低い報酬や給与で頑張ることができるかどうかです。いつまでもそれをやって下さいというのではなく、再生の出口が見えるまでの期間です。

誰も強制はしません。自分との約束だけです。
最後は自分に厳しく、自分に勝った人が再生を成し遂げられます。

周りから見ていて頭の下がるような行動を取ることが再生への近道になると思います。