またまたマンションにまつわる事件である。朝日新聞3月4日夕刊及び5日朝
刊記事が載っている。建設会社の元大阪支店長やマンション住民の暴力団組長ら
が、マンション管理組合から1,100万円を詐取(だまし取ること)したとして逮
捕された。

 1,100万円とあるけど、とりあえず、証拠上詐取したと明らかに判断できる金
額で逮捕するということであり、管理組合の実際の損害はその数倍である可能性
がある。

 元支店長らは架空工事を発注し、工事費を暴力団のフロント企業に支払ってい
る。この分譲マンション(約400戸)は、大阪市北区にあり、2008年に約3億5
千万円で大規模修繕を行い、その際に詐欺事件が発生したようだ。

 新聞記事によると、暴力団組長は、区分所有者ではなく家族が区分所有者であ
った関係で、管理組合の役員と親交があり、修繕工事業者らが集まって受注金額
を調整する会合などに出席していたという。

 組長がどういう立場で会合に参加していたのか、これを許した管理組合の理事
たちに責任(民事上の責任)はないのか、いろいろ問題があるようだ。何よりも、
修繕工事で最も公正でなければならないようなところに、個人が関与できるとい
う点が一番の問題であろう。

 公共事業ではないから、業者間の談合が直ちに違法になるわけではないが、公
共事業に準じた公正な入札などで業者を選定すべきであり、受注額の調整などと
まるで談合みたいなことが行われている。

 そのほか、当該マンションでは、契約書のない約7千万円の追加工事や、住民
が把握していない下請け業者の存在が発覚したという。

 管理組合の修繕積立金が食い物にされているようだ。当然に理事たちの管理組
合への損害賠償責任の問題がある。

 ちゃんとしたマンション管理士が顧問として入っていれば、不正が入る余地を
なくすことができる。ところが、まだまだマンション管理士が信頼されていない
のか、マンション管理士の助言を受けているマンションは少ない。

 こういうことは氷山の一角のような気がする。

 ※一般社団法人エースマンション管理士協会のホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/

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