1、中国(韓国も)は、東南アジア諸国とは政府レベルでも国民感情レベルでも特異な対日感情を有していることは既に紹介したが、此処で整理してみましょう。
① 古代文明では日本の師匠、父母、兄姉の如き存在との潜在意識を有しており、日本との間で何か認識ギャップが生じれば、当然自分達の認識が基準だとの中華思想がアタマをもたげることです。客観的な合理性の有無は問題外となってしまう。
② 一方、弟子、子供、弟妹的な存在であるべき日本からは、過去に人的物的災害を与えられたが、十分な償いを受けておらず、リベンジも果たしていないとのコンプレックスがあり、何かと過剰反応をする。韓国には「恨」の潜在意識がある。
③ 過去に結ばれた国交正常化の友好平和条約や共同宣言も、経済、軍事両面での国力が弱い時のものは、現時点での評価で不合理と思えば見直して当然との、凡そ国際的には通用しない考え方を当然としたがる。これも中華思想の変形であろう。前にも触れたが、自国が相対的に弱ければ秋波を送り又は唯々諾々とするが、力が拮抗すれと思えば抗争し、相手より明らかに強くなれば支配管理するのは当然との歴史的に培われた潜在意識も存在する。
2、以上の如き潜在意識を誰かが煽らなければ、東南アジア諸国同様極めて親日的になるというのが、私の50年間に及ぶ中国との付き合いからの結論である。それは戦後70年近い日本人の思いやりや善意に基づく交流へのたゆまない努力の賜物と言えるでしょう。反面、日本には「羹に懲りてナマスを吹く」風潮が広範に定着してしまったと言った方が良いかも知れない。
3、従い日本の問題点は、伝統的な思い遣りや気配りが過度に出ていることと、その反対に中国や韓国を見下げた様な言辞を弄する人が居る事の両極端なことではなかろうか。更に安全保障面では、米軍基地の存在は歓迎しないが、有事の際はアメリカが当然助けてくれると思っている人が多い事です。最近の世論調査では、6割がそう思い、そうとは限らないと思う人は3割とのこと。自助努力の乏しい、即ち自分の国は先ず自分で守るとの決意の欠如した国に対して、アメリカの若者達が命を懸けて日本防衛に赴くことに、アメリカの母親たちは納得するだろうか?!
 4、中国(韓国も)との付き合い方は、以上に間接表現してあるが:
① 先ず、自国は自ら守ると決意することでしょう。この点日本は中国や韓国の国防努力に謙虚に学び、広報もすべきでしょう。そうすれば軍国主義復活とか、右翼化しているとの非難中傷はできなくなるでしょう。
②  その上で、歴史上多くの文化的恩恵を受けたことに対しては、常に感謝の念を以て交流していくべきでしょう。一方歴史に学ぶことは双方向であるべきで、過去の被害者が加害者にならない様な努力も求めるべきでしょう。
③ 中国人の自尊心や面子を可能な限り尊重すると共に、それに相応しい言動を彼等に求めるべきでしょう。日本では悪い意味にとられるが“褒め殺し”と思えば良いでしょう。私の長年の経験では失敗はありませんでした。近年中国が世界中に孔子学院を設置し続けている情況から、古人に学び、論語の一節でも披露して共に遵守しようとすれば良いでしょう。
 以上は中国人幹部教育シリーズでも貫いている精神ですので、読者の中にはお気づきの向きもあるでしょう。次回は関連エピソードを紹介しましょう。


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柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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