日韓関係がぎくしゃくしている。特に韓国側の反日感情が高まり、日本製品不買運動や日本観光取り止めが相次ぎ、関連企業や韓国からの観光客が多かった対馬などは、多大な影響を受けている。この様な状況に対して、韓国側の言い分も考慮し「足して二で割る」方式で解決すべしとの論調が、左翼的マスコミや一部政治家から唱えられている一方、「韓国は1965年の日韓基本条約での約束を守れ、GSOMIA(General Security of Military Information Agreement軍事情報包括保護協定)を順守せよ」と、日本政府や自民党等は主張している。更にやや右翼的な学者や出版社は、このままでは「韓国は崩壊する」との論調を張っている。私から見ればいずれも舌足らず、又は誤りと断言せざるを得ない。「恨み続ける民族と言われる韓国人」と「過去は水に流せる日本人」と云う、夫々の変わらぬ国民性に起因していると見るべきでしょう。
「孫子の兵法」に言う「敵を知り己を知れば百戦危うからず」は外交や国家間の人的交流にも重要なことです。多くの日本人は忘れてしまったが、韓国の保守派と言われた前任大統領の朴槿恵(パククネ)でさえ「日本には千年の恨みがある」と言ったことがあります。これは前にも紹介したことがあるが、4世紀末に高句麗(朝鮮半島北部)からの侵攻に対抗する為百済(半島南部)の要請を受けて日本が派兵し、現在の平壌の北方に迄攻め上ったこと(中国吉林省西南部の集安市にある広開土王碑にも記述あり)、西暦663年には新羅との戦いの為、再度百済からの要請で白村江に派兵したこと、西暦1592年には秀吉の朝鮮出兵(文禄の役)、更に西暦1910年の韓国併合に至る歴史的事案に対して、日本に対しては根強い恨みの心情が潜在意識となっており、強弱は異なるものの今後とも折に触れ、吹き出すと見るべきでしょう。差別的な植民地主義とは異なり、五族協和の精神の下に日本の内地人と殆ど差別しなかったことが、かえって強い拒否反応となっていると見るべきでしょう。これは中国で現在生じているチベット、新疆ウイグル自治区や香港の情勢とも類似していると言えます。昔仕事の関係で付き合った大正時代生まれの親日派と見られていた韓国人が、ある宴席で“酩酊”した折に、「偶発的でも構わないから北朝鮮が日本に攻撃してくれたら良い、間髪入れず韓国は北朝鮮に味方して日本攻撃に参加する」と言ったことがあるが、この様な心情は政治家や知識人に強いと見るべきです。自尊人の裏返しであり、対日コンプレックスとも言えます。この様な心情が、日本の天皇に対して存在もしない日王(日本国王)と云う侮辱的な呼称を用い続けていることに繋がり、各地に慰安婦像を設置し続け(ベトナム戦争に参戦した韓国兵の一部は現地に自分達の血をひく子供達さえ残しているが)、徴用工問題では大統領が自分の意に沿う人物を裁判官に任じておきながら裁判所の判決で行政府としては変えられないとして、個別補償を要求していることに繋がっています。
 日本側の対応にも問題があります。日本は兎角武士道精神で、露骨に事実を暴露して面子を傷つけてはならないと思い、間接的だったり抽象的だったりする言い方を続けています。
 徴用工問題や慰安婦問題では、1965年の日韓基本条約の交渉では、当時の韓国政府の国家予算を上回って、賠償金に代わる経済援助(無償援助3億ドルを含む)をしたが、これ等援助には韓国人個人への補償も含むこととしたことは交渉議事録にあるので、通常は公表しないものではあるが、この際明快に公表すべきでしょう。当時日本政府は個別補償もする旨伝えたが、「それは我が政府が実施するから、その分も国家間の経済援助に含めてくれ」とのことだった。従い、現在の韓国側主張は二重取りを画策していることに他ならぬ点も宣明すべきでしょう。
GSOMIAにしても、輸入した安全保障にかかわる日本製品を勝手に第三国に転売している事実が160項目もある様では、対韓輸出には個別審査も必要なことは常識的にも当然でしょう。
 日本は官民共に、もっと自己主張をして然るべきでしょう。一方関係改善の“秘策”もありますが、その内容は近日中に紹介致しましょう。

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