普段何気なく交わされる会話の中にも、日中間の大きな相違点があることに皆さんは気付いておられるでしょうか。民間交流だけでなく国家間の交流にも反映している様に思われるが、幾つか例示してみましょう。

 1.初対面だと当然相互紹介があるが、殆どの場合中国人は出身地を訊ね合う。
   省、自治区、直轄市名を言う訳だが、同郷だったり近接していたりすると親しみを感じるようである。然し上海と北京(含天津)の場合は、やや硬くなったり対抗意識が生じたりする様で、日本での大阪と東京の場合以上である。
   広大な中国は天下(世界)であり、寧夏回族自治区で10年余前に仕事をしていた時、外資の投資を歓迎するとの言葉をあちこちで見かけたが、この外資との言葉は主として上海等豊かな他の省市を意味するとのことであった。
 2.日本では相互紹介した後に「どうぞよろしく(請多関照)」と言いあうこと多いが、中国ではその様な事例は大変少なく、「お見知り置き下さい」に相当する「請認識我」とか、ずばり「請支持我」と言い、更にお互いよく観察し合う。従い一度会うと実によく相手の名前を憶え込み、その記憶力には感心する。
 3.日本人は、何かにつけ「頑張ろう」とか「ガンバレ」と言うが、スポーツの試合等何かの対抗試合では「加油!加油!」と言うが、日常の会話や社内会議のしめくくり等に言うことは少ない。
 4.自分と相手を共に言う場合、日本では相手を先に言い、自分のことは後で言うが
   中国では逆であり、歌の題名や歌詞の中でも同様である。テレサテンが歌った「北国の春」の中国語バージョンも「我和你」との題名である。勿論日本語の直訳版「北国之春」や「榕樹(ガジュマル)下」と言う福建版もあるが。
 5.不幸な出来事があれば、中国人は声を上げて泣き叫ぶが、日本では「悲しみを押し殺し、感情をむき出しにしない」のが、美徳であり、既に習慣化しているのと大違いである。
 6.日本人は一寸したミスや不手際に対して、「すみません」とか「申し訳ございません」とよく言い、そう言われればあまり深追いしないことが習慣化しているが、中国人は、人混みを通る様な時の慣用的言い方以外滅多に言わない。言えば責任を追及されても仕方ないとの認識がある。
 7.「仕方がありません」とか「止むを得ません」との言葉は、日本人の間では半ば禁句であるが、中国人は気軽にこの様に言い、余り深追いしない。職場での工程管理、品質管理、接客態度等に関連し、注意すると「日本人は神経質過ぎる」と陰で愚痴をこぼすことも多い。 
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