2012年 12月の記事一覧

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12年12月30日 16時11分56秒
Posted by: yanagizawa

 以前中国でのモラルやマナーは日本より良かった、と記しました。1978年末鄧小平の提唱により改革開放政策に国策を変更して以来、経済面では大幅な成長改善が達成されたが、それに反比例するが如く多くの中国人のモラルやマナーは低下してしまいました。
 新年を迎え、続いて2月10日には春節(旧正月)を迎えますが、宴会に招かれたり主要な顧客などを招いて宴会を開いたりする機会が多くなると思われます。
準備作業や司会進行係等中国人幹部社員に担当させる場合が多いかと思いますが、彼等が正しく理解しているとは限らないので、経験上若干要領を紹介しましょう。年配のその道に通じた方を招いて教えを乞うとか、マナー本で学ぶのも良いでしょう。さすが日系企業はマナーレベルが高いとの評価を得たいものです。
1、 主催する場合、宴会場に早目に行き現場を点検すると共に、遅くも10分前にはレストラン入り口(単独の建屋の場合)や会場のあるホテル、集合ビル等の入り口で招待客に挨拶し誘導すること。
2、 席順の決め方:部屋の奥(日本でいう床の間を背にした位置)にはホスト役が座り、その対面にはサブホストが座ります。ホストの右手側には主賓、サブホストの右手側には次席賓客、ホストの左手側には3番目の客、サブホストの左手側には4番目の客の席とします。人的関係に特別な事情がある場合ホストの右、左に主賓、次席客として、サブホストの右、左に3、4番目と座らせても良い。通訳がいる場合、その席は話し手の隣とすること。その他の方々は主客交互を原則として、親しい関係者をなるべく隣接させること。
3、 大きな宴会でテーブルが沢山ある場合、代表者のスピーチ台(又は舞台)手前が第一テーブルとし、その左側(入り口側より向かって)を第2テーブル、右側を第3テーブルとする。第1テーブル手前が第4テーブル、其の左が第5、右が第6、第7テーブルは第2の左側、第8は第3の右、第9は第4の手前として、以下同様とする。図示して見れば、第1テーブル中心に徐々に離れる配置であることが分かろう。
4、 ホストの挨拶は、なるべく簡潔であること以外、特別な注意は不要。但し、客側のお礼の挨拶は日本式にホストの挨拶に続いて行うのは、マナー違反です。宴会の終了間際の果物や点心が出てきた時がタイミングです(その前は大体魚料理が出る。「有魚=有余=利益があがる」との寓意)。ホストが、「用餐吧!」と料理に箸を付ける様促す発言をすると共に、以前は左右の客人に料理を取分ける仕草をしましたが、これは省略しても良い。された場合は「自己来!」と言って、断った上で、自分で料理を取れば良い。
5、 中国では食べられない骨等を、皿に残してはいけないとのルールがあるので、テーブル上等に置くが、空の皿を貰ってそれに入れるのがスマート。以前も記したが、「xxxの為に乾杯」と言わずに無言での手酌はご法度と心得るべし。主客両方に中国人の多い宴会では、宴会の席上ではお礼や称賛の美辞麗句を連発しておきながら、宴会が終わると相手側に対する陰口を、罵詈雑言で以て言う場合が結構あるが、これだけは雰囲気にのまれて同調しないよう留意したいものである。


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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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12年12月08日 16時35分31秒
Posted by: yanagizawa

奇妙なタイトルとお思いでしょうが、暫く読み進んで下さい。
日系工場に限らず中国の多くの工場では、原材料や部品類の入荷から製品出荷に至る各工程では無駄が多く、なかなか教育が徹底しないと悩んでいる工場経営者は多いものです。中国人は何事によらず大雑把で、何度言っても本気になってくれないとの悩みも多いようです。一方長年中国で仕事をしながら500以上の工場を見て回り、又中国の友人達の自宅訪問も多い(最近では友人宅への宿泊も多いが)私の経験では、家庭生活での勤倹節約、無駄の排除は日本より徹底していると感心することが多いのが実情です。私の交流相手は上流階級と中間層の中程に位置しますが、夜でも電灯は必要ない部屋では消灯し、水道の水やガスの使用も最小限にすることが習慣化しているのを随分目撃しました。又個人経営の商店やレストランでも類似状況です。
 問題の根底には、「節約や無駄の排除が即自分の利益に直結していると感じられるかどうか」と言う点と、「協業精神とか組織ワークへの協力性に問題あり(団結心が弱いとも言える)」があるでしょう。
1、 前者に対する対策としては、以前にも記しましたが業績と待遇(特にボーナス)を幹部社員はじめ、従業員にも分かる様に制度化し、適時に開示することです。
2、 後者に対する対策は容易ではありません。問題が判明してもほとんどの中国人は「自分は十分協力的であったし、自分の責任は果たしている」と認識するからです。
そこで、一つの対策として“掛算”を現場に即して教育し、徹底するまで継続することです。私自身一定期間強調したが、やや尻切れトンボになってしまったとの苦い経験もあります。「継続は力なり」です。若干例示しますと:
① 入荷受け入れ検査から、製品出荷まで仮に10工程ある場合、各工程で平均5%ロスや無駄を排除すれば40%と言う膨大なコストダウンになります。5%は大き過ぎるなら平均3%で計算すれば26%のコストダウンにつながります。
② 工程数はあまりないないと言うなら、5工程で計算してみましょう。平均5%なら23%のコストダウンとなり、3%なら14%のコストダウンになります。
(注:厳しい日本人の目で、現場検査によりロスや無駄の平均係数を割出しましょう。
工数は自社工場の実態に基づいて計算しましょう。極力幹部社員を動員しよう)
3、 財務内容全てを開示する必要はありませんが、人件費の総原価に占める割合は幹部社員には認識させる必要があります。全社累積計算で歩留り(成品率、合格率と言っても良いが)向上が10%もあれば、年一か月のボーナスが2倍にも、3倍にも増やせることは、幹部社員なら容易に理解できるはずです。

    幹部社員の家庭では、夫々の事情次第ではあるが、エアコンを買いたい、車を買いたい、マンションを買う計画だとか、子供の教育費用を捻出したいとか種々の理由により相当節約をしているはずです。彼らの同意の下に、一度どんな節約をしているかアンケート調査をしてみるのも良いでしょう。個人生活での節約精神を是非共会社の中でも活用したいものです。入荷から出荷まで工程があり、組織ワークになる点が家庭生活とは異なるので、“掛算”教育が必要になります。
幹部社員の理解と積極的な協力が得られるようお祈りします。

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