改革を行って利益が出たら金融機関に持って行かれる。
これでは何のために汗水流して頑張ったのかわからなくなる。
当初から利益処分案を作っておらず、何とか黒字化を果たしたいという思いだけで期末を迎えることが多いようです。

赤字続きで何とか再生ないといけない状況で全社員一丸となって、あらゆることに取り組み改善・改革を行います。目標は初年度黒字化です。最初は不安で
一杯なのですが、実際には皆さん緊張感があり、真剣に取り組まれますので初年度はどこも黒字化を達成されます。

ところが利益が出たものに対して、すべて自由に使えるという訳ではないです。今まで金融機関に猶予していただいたり、条件を緩和してもらっていた訳ですから、真っ先に金融機関への対応が必要となります。

事業を行っているとそのことは忘れてしまいます。次への投資やモチベーションアップのための生きた投資を行いたいと思っていたところへ、金融機関がやって来られます。

いくらか追加の返済を迫られます。その時、はっと気が付きます。今までは厳しい中、金融機関に助けて来てもらっていたということを・・・

想定していた投資もできず、利益のほとんどが返済に充てられると、社長や幹部のモチベーションが下がります。

でもそれを乗り越える力が大切です。少々利益が出たからと言って再生できるということはないです。初年度以上の利益を出し続けないといけません。くよくよしたり、考えている暇はないです。

よし、それだったら2年目以降は、十分な投資ができるくらいの利益を出そうという姿勢が大事です。たった1年くらい利益が出たくらいで過去の負債が大幅に減ることはないはずです。

もっと大事なのは、初年度の利益を超える数字を出すことができるかどうかです。それで企業再生は判断できると思います。初年度はあらゆる無駄をカットしますので比較的、黒字化しやすいです。2年目以降はもうほとんどカットする余裕がないため、自力で数字を上げないといけない構図になっています。安心していると、ガタッと数字が落ちます。

初年度の黒字化が現実を思い知らされることになるかもしれません。でもそれくらい会社は厳しい状況なのだということを再認識されてはと思います。

再生の判断は2年目以降の数字にかかっていることをもう一度理解されていた方が良いと思います。

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