ここ何年か前までは、ほとんどが業績アップのお手伝いでした。どうやって事業を伸ばしていくかその1点について議論したり、提案させていただくことが多かったです。

必然的に決算書を見る場合も売上、利益、販売管理費に目が行きます。この数字をどうやって組み立てるのか必死でした。

ところが最近、決算書を拝見させていただくとまず貸借対照表を見ます。真っ先に借入の額です。長短合わせていくらあるのか、それを確認させていただきます。現状の売上や利益に対してどれくらいの借入があるのか、それを確認せずに事業の再生はあり得ません。

少々売上や利益が上がったからといって根本的な解決方法になっていない場合が多いのも事実です。

バブルや右肩上がりの時は気にならなかった借入金が、今になってボディブローのように効いてきます。

あの時、投資しなければ今のような数字にはなっていなかったのにと皆さんおっしゃいます。でも借入は自己責任です。自分たちの手で何とかしないといけません。

良い時だけ銀行に頼るのではなく、苦しい時ほど協力いただくことが大事だと思います。

まずはPLの再生ですが、将来のことも考えるとBSの手術が必要です。金融機関との調整も行いながら出口を見つけないといけません。

やはり経営はBSに尽きるように思います。過度の借入で皆経営が危うくなっています。未来が見えていないのに、借入を起こし事業拡大に走ったツケがまわっているような気がします。

利益が出ていないという以上に、いびつな借入の額が気になります。血を流すような大手術が必要な状況までほっておくとたいへんです。

利益が出なくなって会社は潰れるのではなく、返済できなくなくなって会社は潰れます。

安全で健全な経営を目指すならば、売上規模以上の借入は絶対にしないと決めることのように思います。