それは、「再生」という言葉です。
私はこの言葉を慎重に使っているつもりです。

社長や幹部の方の前では当然使いますが、一般の従業員の前や中間管理職クラスの方の前でも慎重になります。

着手させていただく時に必ず、社長にお聞きします。
「今の現状をお知りなっておられる方は、どのクラスの方までですか?どなたにまでなら本音でお話をさせていただいてもよろしいですか?」
と確認を取ります。

でも皆さん、「武内さん、うちの社員は皆知っているから良いよ。」
とおっしゃいます。

ところが言ったつもり、知ってくれているつもりが曲解して情報が流れています。

だからいくらクライアント先の社長からOKをいただいても、線引きをしっかりとします。

特にこの再生という言葉は現場では使いたくないです。理由は、再生と言うのは固定費の削減のことを言います。固定費の削減とは人件費の削減です。それを行わずして再生はまずないです。窮境の原因はまずこの固定費の圧迫し、営業利益が出ていないためです。

だから勘の良い方は、再生と言う言葉を聞くと、人件費のカットが行われるのだなぁと思います。

そうすると話が独り歩きし、どの部分からカットされるのか?まず誰が退職勧告されるのか?とか、あらぬ方向に行ってしまいます。

現場が戦々恐々とし、不振感でいっぱいになります。落ち着いて仕事ができなくなります。

また、一旦そのような風評が広まると、優秀な人から次の職場を探し出します。
優秀な人材に抜けられては、再生は難しくなります。

現場に伝えるのは「再生」ではなく「活性化」です。
いかに今の現状を打破し、営業段階でまず利益を少しでも出そう!
ということも目標の掲げて頑張ってもらうことです。

BSの問題は会社幹部の責任。
現場にはPL段階の利益を出してもらうことに協力いただくことです。

わかっているから良いというのでは、いつか大きな落とし穴にはまります。
必ず注意して使っていただきたいです。