欠員が出れば補充ということを繰り返していると、いつまで経っても社員比率は下がりません。現状が適正な数値であれば良いですが、苦戦されている企業ほど、業界平均に比べて社員比率が高いです。

古い企業ほどビジネスモデルが変化しておらず、固定費の負担が重くのしかかっています。

そのため、新しいビジネスモデルを引っ提げて登場してくる新参者にマーケットを取られます。どの業界でも同じなのですが、この新しいビジネスモデルというのは、低固定費、低人件費の業態として参入してきます。

つまり、社員比率を極端に下げ、パート・アルバイトさんで回せる業態を作ってきます。必然的に利益の出やすい体質となっています。

新しい業態が出てきて初めて、うちは人件費比率が高いなぁとか、固定費比率が高いなぁと気付いてもすぐに改善するのは難しいです。商品やサービスなら真似できますが、人件費の問題は、会社の根幹を揺るがす大事な問題です。比率が問題なのではなく、仕組みそのものを見直す必要があります。

5年計画、10年計画の中で総額の人件費を見直されてはいかがでしょうか?

正社員で欠員が出て補充せずに、パートさん、アルバイトさんで回せる体制作りを徐々に行っていくことです。その際、課題になってくるのがパートさん、アルバイトさんの登録数です。パート・アルバイトさんを正社員の方とほぼ同じような勤務体系で雇用されているところが多いと思いますが、大事なのは非常時対応できているかどうかです。

毎日来てくれているパート・アルバイトさんの雇用形態は何ら問題がないです。逆に、いろんな問題が現場で起こり、急場を凌がなければならなくなった時の補充要員です。

例えば、今度の週末人出が足りないと言った時に、電話1本で「時給1500円支払うので来てくれない?」と無理の言える方が何人おられますか?

普通は社長の奥様がこのリストをお持ちです。
過去に勤められた方の名簿を大切にし、必ず連絡を取りあっておられます。

新年のごあいさつをかねて、一人一人で電話をされ、現状を確認されます。
「忙しい時には、お願いするかもしれないけど、協力してねぇ・・・」と。

一度一緒に仕事をしていただいた方は、一生の宝です。
その宝を大事にするかどうか?人件費を変動費で回すためには、常日頃からの人付き合いが大切です。

だからこのような方にお聞きすると、人のことで困ったことがないとおっしゃいます。電話一本でかけつけてくれる仲間づくり。そこに社員比率を下げるコツがあるように思います。

人を大事にする会社は伸びます。利益も出ます。
経営数値面での人件費や固定費にとらわれ過ぎず、どうやって人のつながりを大事にしていくか?数字ではないです。悩んでおられるご自身の人柄が一番大切なように思います。