私たちコンサルタントの仕事は特にそうですが、クライアント先のオーナーの話をしっかりと聞けるヒアリング能力が一番大切です。

多くの時間をこのヒアリングに当てます。

改善提案や報告書などはいつでも書けます。

しかし、このヒアリングを疎かにすると独り歩きした内容となり、クライアントのご希望とは異なる場合が出てきます。一緒にやってきたはずなのに、1か月も経つと方向性や考え方が違っていたなんてことが起こらないように気を付けています。

そのためにできる限りヒアリングに時間をかけます。オーナーの希望・要望、現場の声など、末端のパートさんに至るまでご意見を頂戴します。

それも何度も何度も繰り返しです。そこからしか、答えは出てこないからです。一担当者の空想や妄想では良い答えにならないと思います。

やはり仕事ができる方というのは、いろんな要素があると思いますが、このヒアリング能力に長けておられると思います。じっくりと相手の話を聞く、いつもその姿勢です。

自分が言いたいことがあってもじっと我慢。
先方のおっしゃりたいこと、やってほしいことは何なのかを見極められます。

ということは聞き上手なのでしょう。
一緒にいるとついつい心を広げて、話したくなるような感じ。
そんな雰囲気をいつも持っている。

相槌を打ちながら、何時間でもOK!
すべてを吐き出すまで、聞いている。
そんな方だからこそ信頼感が生まれるのでしょう。

相手の言いたいことが何なのか?
そこに全神経を集中させて、いつもニコニコと話を聞く。
それがプロの仕事らしいのです。

自分の正しい意見を言うのは、間違ってはいませんが、愚策かもしれません。

良策は、聞く側に徹し、頭の中でその話の内容を因数分解すること。
腕を磨こうと思えば、まずヒアリング能力を磨くことです。

ビジネスでは、そこからしか答えが出ないからです。

自分の考えなんていらないのです。
それに気付いた瞬間、プロの仕事ができるようになっているのではないでしょうか?