お客様はかなりの数の旅行体験をされています。どんなに素晴らしい刺身を目の前に出されても感動されません。刺身はどのホテル旅館でも出て来るからです。だから、ホテル旅館で普通に出て来る料理以上のものを食べたい、経験してみたいと思うようになっています。

美味しいものを出すというのは基本戦略ですが、お客様は常連中の常連になっています。美味しいものは食べつくしたといった感じ。そのような方を満足させないといけない時代になっています。

お客様からの声でも「普通では経験できないこと」「他のホテル旅館では食べれないものが食べてみたい」とか「普通のホテル旅館の料理以上のものを出して欲しい」という意見が多くなっています。

究極は漁師の方が食べているものを食べてみたいという意見に行き着きます。旅行は非日常空間です。家庭で再現できる、通販で再現できるものでは味気ないです。全くの異空間へでも案内したくらいでないと思い出に残りません。

普通に生活している人が体験できないもの、食べることができないものを追い求めるようになっています。

ホテル旅館などの箱の中の施設から飛び出して、ちょっと違ったものが欲しくなっている感じがします。でもわかるような気がします。私も仕事上、過去に凄い量の宿泊をしています。疲れて宿に帰って来て翌朝、朝食です。その時がほっとする時間です。その時、いつも食べることができないものや地のものがあるだけで心が休まります。逆にそれを期待しているくらいです。

経験数が増えれば増えるほど、非日常への欲求が高まります。ホテル旅館の方もたいへんだと思いますが、今後ますますその傾向は強くなって行くと思います。

B級グルメは、各種イベントに参加すれば食べることができます。都心部ではデパ地下などでもたまに開催されています。だからB級グルメ以上のものが必要です。地元でそこでしか体験できないもの、食べることができないものが理想です。

普通の人から見えれば、漁師さんは特別何か美味しいものを食べているのでは?何か特権があるのでは?と思うのでしょう。

でもそんなに高価なものを毎日食べてはいないと思います。漁師さんの日常のご飯をちょっと食べさせて欲しいと思われるなら、それをかなえてあげれば良いと思います。

食品スーパーでの獲れ立てではなく、漁港に水揚げされた獲れ立て。それをそのまま漁師さんの食べているのと同じように調理。究極の贅沢が味わえる感じがします。

どの業種業界においても消費者の経験・体験数がかなり増えています。今までの業界通例から飛び出した戦略を考えて行かないと、お客様が逃げて行くような気がします。

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