【問 23】 正解 3

×1 誤り。印紙税を納付するため当該課税文書に印紙をはり付ける方法で納付

し(印紙税法8条1項)、そして、課税文書の作成者は、課税文書と印紙の彩紋と

にかけて判明に消印しなければならないとされる(同2項)。この消印の方法は、

自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章

又は署名で消さなければならないとされている(施行令5条)。したがって、契約当

事者の従業者の印章又は署名で消印しても、消印したことになるのである。

×2 誤り。土地の売買契約書(記載金額2,000万円)を3通作成し、売主A、買主

B及び媒介した宅地建物取引業者Cがそれぞれ1通ずつ保存する場合、すべての

契約書に、印紙税は課れる(印紙税法2条、別表)。

○3 正しい。一つの契約書が不動産譲渡契約書(1号文書)と建設工事請負契約

書(2号文書)の双方に該当するときには、原則として、全体が1号文書となり、契

約金額の総額が記載金額となる。しかし、記載金額を1号文書に係るものと2号文

書に係るものとに区別できるときは、記載金額の大きいものを記載金額とし、同じ

であるときは、1号文書の記載金額を記載金額とするとされる(別表1)。設問では、

1号文書と2号文書とが明確に区別されて記載されているので、記載金額の大き

い、2号文書の5,000万円が記載金額となる。

×4 誤り。印紙税の記載金額には、消費税抜きの金額を記載金額とされる。設問

では、課税標準となる当該契約書の記載金額は、2,000万円である。税金に税金

をかけるような二重課税となることを避けるためである。

【問 24】 正解 4

×1 誤り。国会議員及び地方団体の議会の議員は、固定資産評価員を兼ねること

ができないとされている(地方税法406条1項1号)。

×2 誤り。登記所は、土地又は建物の表示に関する登記をしたときは、「30日以内

に」ではなく、10日以内に、その旨を当該土地又は家屋の所在地の市町村長に通

知しなければならないとされている(地方税法382条1項)。

×3 誤り。住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例は、面積が200㎡以

下の部分には6分の1、200㎡を超える部分には3分の1とされている(地方税法

349条の3の2)。

○4 正しい。納税者が納期限までに固定資産税に係る地方団体の徴収金を完納し

ない場合においては、市町村の徴税吏員は、原則として納期限後20日以内に、督

促状を発しなければならない(地方税法371条1項)。そして、固定資産税に係る徴

収金について滞納者が督促を受け、その督促状を発した日から起算して10日を経

過した日までに、その督促に係る固定資産税の徴収金について完納しないときは、

市町村の徴税更員は、滞納者の財産を差し押さえなければならない(地方税法373

条1号)。

【問 25】 正解 3

×1 誤り。地価公示法の目的は、都市及びその周辺の地域等において、標準地を

選定し、その正常価格を公示することにより、一般の土地取引価格に対して指標を

与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する土地に対する適正な

補償金の額の算定等に資し、もって適正な地価の形成に寄与することである(地価

公示法1条)。

×2 誤り。標準地は、土地鑑定委員会が、自然的及び社会的条件からみて類似の

利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と

認められ一団の土地について選定する(地価公示法1条)。「当該土地の使用又収

益を制限する権利が存しない土地」という限定はない。

○3 正しい。公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該

対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる1又は2以上の標準地

との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を

行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に

均衡を保たせることをいう(地価公示法11条)。

×4 誤り。不動産鑑定士は、土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を

行うに当たっては、近傍類地の取引価格から算定される推定の価格、近傍類地の

地代等から算定される推定の価格又は同等の効用を有する土地の造成に要する

推定の費用の額を勘案してこれを行わなければならない(地価公示法4条)。「いず

れかを勘案」するというのが誤り。

【問 46】 正解 1

×1 誤り。機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の

貸付債権の譲受けのみならず、当該住宅の建設又は購入に付随する土地又は借地

権の取得に必要な資金の貸付けに係る貸付債権についても、譲受けの対象としてい

る(住宅支援機構法13条1項1号、施行令5条1項)。

○2 正しい。機構は、災害により、住宅が滅失した場合において、それに代わるべき

建築物の建設又は購入に必要な資金の貸付けを業務として行っている(住宅支援機

構法13条1項5号)。

○3 正しい。機構は、貸付けを受けた者とあらかじめ契約を締結して、その者が死亡

した場合に支払われる生命保険の保険金を当該貸付けに係る債務の弁済に充当す

る団体信用生命保険に関する業務を行っている(住宅支援機構法13条1項10号)。

○4 正しい。機構が証券化支援事業(買取型)により譲り受ける貸付債権は、自ら居

住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、

又は購入する者に対する貸付けに係るものでなければならない(住宅支援機構法

13条1項5号、住宅金融支援機構業務方法書3条1号)。

【問 47】 正解 3

×1 誤り。宅地又は建物の見取り図、完成図又は完成予想図は、その旨を明示して

用い、当該物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしない

こととなっている(表示に関する公正競争規約施行規則10条(23))。

×2 誤り。地目は、登記簿に記載されているものを表示すること。この場合において、

現況の地目と異なるときは、現況の地目を併記することとなっている(表示に関する

公正競争規約施行規則10条(19))。

○3 正しい。管理費については、一戸当たりの月額を表示すること。ただし、住戸に

より管理費が異なる分譲マンションの販売広告を行う場合、全ての住戸の管理費を

示すことが広告スペースの関係で困難なときには、1住戸当たりの月額の最低額及

び最高額を表示することができる(表示に関する公正競争規約施行規則10条(41))。

×4 誤り。新築とは、建築後一年未満であって、居住の用に供されたことがないもの

をいう(表示に関する公正競争規約18条1項(1))。

【問 48】 正解 3

○1 正しい。平成23年度法人企業統計年報(平成24年9月公表)によれば、平成23

年度における不動産業の経常利益は約3兆3,000億円となっており、前年度比0.5

%減となった。

○2 正しい。平成25年地価公示(平成25年3月公表)によれば、平成24年の1年間

の地価は、全国的に依然として下落を示したが、下落率は縮小し、上昇又は横ばい

の地点が大幅に増加している。

×3 誤り。建築着工統計(平成25年1月公表)によれば、平成24年の持家戸数は

3年連続で増加している。この点は正しい。しかし、貸家戸数は「3年ぶりに減少」で

はなく、4年ぶりに増加している。

○4 正しい。平成25年版土地白書(平成25年6月公表)によれば、土地取引につい

て、売買による所有権移転登記の件数でその動向を見ると、平成24年の全国の土

地取引件数は120.4万件となり、9年ぶりに増加に転じた。

【問 49】 正解 4

○1 適当。国土を山地と平地に大別すると、山地の占める比率は、国土面積の約

75%である。

○2 適当。火山地は、国土面積の約7%を占め、山林や原野のままの所も多く、水

利に乏しい。

○3 適当。台地・段丘は、国土面積の約12%で、地盤も安定し、土地利用に適した

土地である。

×4 最も不適当。低地は、国土面積の約「25%」ではなく、「13%」であり、低地は

洪水や地震による液状化などの災害危険度は「低い」のではなく、高い。

【問 50】 正解 4

○1 適当。耐震構造は、建物の柱、はり、耐震壁などで剛性を高め、地震に対して

十分耐えられるようにした構造である。

○2 適当。免震構造は、建物の下部構造と上部構造との間に積層ゴムなどを設置

し、揺れを減らす構造である。

○3 適当。制震構造は、制震ンパーなどを設置し、揺れを制御する構造である。

×4 最も不適当。既存不適格建築物の耐震補強として、制震構造や免震構造を用

いることが適していないとは言えない。