マンションの防犯対策として、いろいろな方法があ
 るが、ここでは、古くてかなり高齢の方が多いマンシ
 ョンについて、一つの試みについて紹介したい。

  古いマンションでは空室がどうしても出てくる。空
 室が多くなると、防犯上好ましいことではない。

  1階に空室があるマンションについて、その所有者
 から管理組合が比較的安く借りて、そこを民間交番
 所として使用している例がある。

  その入り口に、目立つように「民間交番所」と書い
 た大きな看板を置くのだ。

  そこには、椅子や机を置き、お茶やインスタ ント
 コーヒーを置いて、誰もが気軽に入れるようにして
 おく。また、テレビも備えておく。絶えず、1階のその
 民間交番所には人の出入りがあることを内外に示し
 ておくのだ。

  例えば朝は10時頃から、夜は9時頃まで、誰か1
 人の責任者を決めておく。その責任者が鍵の開け
 閉めをする。定年退職した人たちがボランティアとし
 て、責任者を交代でやるのもいいのではないか。

  警察と連携して、一日に1回はお巡りさんが立ち
 寄ってくれるようにすることもできる。

  地域の他のマンション管理組合と連携して、それ
 ぞれが相互に立ち寄るということなどやれば、地域
 コミュニティの発展のためにもよい。

  その場所には、囲碁、将棋、本などを持ち寄って、
 とにかく、誰でもが気軽に立ち寄れる雰囲気を作る
 ことが大切だ。ひまな人は、当番でなくてもどんどん
 立ち寄ってもらう。家で一人でやっている趣味をそこ
 に来てやるのも良い。

  大きな黒板かなんか置いて、警察からの情報や
 防犯上の情報などを書いておくのも良い。

  地域でたむろしている不良グループや暴走族対
 策にもなる。とにかく、地域の人の目が行き届いて
 いるということを知らしめることが防犯対策の基本で
 ある。

  最初はいろいろと問題も出てくると思う。問題が出
 てくれば、その都度話し合って修正すればよい。問
 題があるからといって何もやらないのが一番よくな
 い。

  マンションは管理を買うとよく言われるが、こういう
 ことも一つの管理の問題だ。
  マンションを買うときには、平日・休日の昼・夜とそ
 のマンションを訪れる必要があると言われる。

  昼間は何もなかったが、土曜日の夜は暴走族が
 うろうろしていたら、それだけで買い手がなくなる。
 買い手がなくなるということは、マンションの価値が
 下がるということだ。

  とにかく、マンションをいやマンションの地域全体
 を快適な居住環境にするためには、いろいろな知恵
 を出し合って、一歩ずつ実行していく必要がある。

 ※エースマンション管理士ホームページhttp://acemansyonkanri.law.officelive.com/