2009年 7月の記事一覧

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09年07月31日 19時39分53秒
Posted by: mansyonkanrisi
 管理会社の意向や推薦を受けて、その管理会社が管理している管理組合の顧問
になるマンション管理士がいると聞く。

 民法では、自己契約(契約の相手方の代理人となること)や双方代理(契約の
当事者双方の代理人となること)は、原則として禁止される。それは、本人の利
益を守るためである。これを「利益相反行為の禁止」という。
 ただし、本人が承諾すれば、禁止されない。不利益を受けるかも知れない本人
が承諾する以上、これを禁止する必要がないからだ。

 会社法でも、会社と取締役との利益相反行為を規制している。取締役は、会社
と競合する取引をしようとする場合、又は、取締役が、自己のため又は他人の代
理人・代表者として会社と取引する場合も、その取引について重要な事実を開示
して取締約会の事前の承認を得なければならない。これは、会社の利益を守るた
めである。

 マンション管理士は、管理組合の運営等マンションの管理に関し、管理組合の
理事や組合員の相談に応じ、助言・指導・援助を行うことを業務とする。その業
務を行うために、管理組合と委任(又は準委任)契約(顧問契約)を締結する。
 訴訟行為や登記又は業務の許可申請のように、弁護士、司法書士又は行政書士
等しか行えないような行為はできないが、他の法律によって制限されない事項に
ついては、管理組合の代理行為をすることもできる。

 このように、マンション管理士が代理行為をするときは、当然に民法の利益相
反行為の禁止が適用される。代理行為ではない行為については、一応その適用は
ないといえる。

 そこで、マンション管理士が、マンション管理会社の意向を受けて、その会社
の管理しているマンション管理組合と顧問契約をして、その業務を行う場合、利
益相反行為の禁止はどうなっているのか。

 対マンション管理会社との関係で見ると、代理行為でなければもちろん、管理
士が代理行為をする場合でも、管理会社の代理人でない限り、法的に利益相反行
為ではない。

 しかし、マンション管理の適正化の推進に関する法律40条は、信用失墜行為の
禁止を規定している。マンション管理士が管理業者の利益になるよう誘導する行
為等はこれに該当するものと思われる。これに違反した場合、罰則の適用はない
が、登録の取消処分は受ける。

 このように、マンション管理士が管理会社の意向を受けたり、推薦を受けて管
理組合と顧問契約等をしても、利益相反行為ではなく、利益誘導がない限り、直
ちに法律に違反するものではない。

 しかし、前にも、マンション管理士と管理会社との関係でも見たように、マン
ションの管理組合とマンション管理会社は、利益の相反する契約関係にあり、マ
ンション管理士は、その一方の当事者である管理組合との契約で、管理組合の利
益を守るものである。

 そういう立場にある者が、他方の管理会社の意向や推薦を受けて、果たして、
管理組合の利益のために働けるのか。要請や推薦した管理会社に対して真剣に物
が言えるか。
 管理会社の利益を図るよう動くのが人情ではないのか。いや公平な立場で職務
を行っていると胸を張って言えるか。八百長という批判に耐えられるか。

 管理組合と管理会社は、常に全てにおいて利益が相反するものではないから、
管理会社の意向を受けても問題がないという見解もある。確かにマンションのよ
り良い管理について共同で歩調を合わせて進まなければならないという面も多い。
しかし、その管理行為に対して、その対価が適切であるか、費用に見合う管理を
行っているかという最も重要な点で相対立するものであり、なあなあで済ませる
ことはできない。

 管理会社の意向や推薦があっても、管理組合(その理事)が納得しているのだ
から、かまわないのではないかという見解もあろう。
 正にそのことが一番の問題だ。今まで理事会も総会も牛耳ってきた管理会社が、
管理組合がマンション管理士を自分たちで見つけてきたら、それができなくなる。
それは大変だということで、管理会社にとって都合の良い管理士を推薦するとい
うことだ。

 そもそも、このような管理組合は、自分たちの利益を正当に守るという能力に
欠けるものである。それは管理会社に牛耳られていたからだ。その能力の欠ける
管理組合が納得しているからかまわないというということは、その実態から目を
そらすもので正当な見解ではない。これでは何時までたっても、管理組合は管理
会社の意のままだ。

 マンション管理士は、大いに稼いでも良いと思う。ただし、マンション管理士
の制度の趣旨や職業倫理を肝に銘じて、胸を張って仕事をしたいものだ。
 管理会社の意向や推薦を受けたとしても、管理組合にも十分管理士の使命を説
明し、管理組合の自立を促し、管理会社に対しても、管理士の使命に従って、堂
々と言うべきことを言わなければ、その先はないものと思う。

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09年07月27日 21時24分53秒
Posted by: mansyonkanrisi
  今年は、松本清張・太宰治の生誕100年ということで、新聞などの特集記事を
良く目にする。

 私の若い頃は、松本清張は現役のバリバリだったが、太宰治は既に亡くなって
いた。2人の小説はほとんど読んだ。若い頃は、太宰治の作品を読み漁ったこと
がある。

 そこで、最近話題になっているので、太宰治の「人間失格」をわくわくしながら
読んでみた。ところが、いくら読み進んでも、退屈な思いにかられた。あれ、昔は
確か引き込まれて一気に読んだはずだったのにと思いながら・・・。ついに最後ま
で退屈だった。

 他の作品もそうかなあと思って、読むことを迷っているところだ。

 若い頃は、読書が趣味というほどではないが、夏目漱石、芥川龍之介、志賀直
哉などを良く読んだ。今も現役の大江健三郎も読んだが、文章が長くて読みずら
かったのを覚えている。講演会などを聞いて人柄が好きだったので、無理して読
んだものだ。

 最近、昔読んだ小説を読み返しているが、太宰の「人間失格」みたいな退屈な
思いはしない。夏目漱石の「こころ」・「坊ちゃん」、芥川龍之介の「羅生門」・「鼻」、尾崎紅葉の「金色夜叉」等々、今読んでも夢中になる。特に金色夜叉は
長い割には引き込まれて一気に読むことができた。

 昨年は、「源氏物語千年紀」ということで、特集が新聞などでくまれていた。
同窓生の女性などに聞くと、読んだという人が多い。これは一度読破しなければ
と思い、昨年の夏に、瀬戸内寂聴訳の文庫本を読み始めた。

 こいつは何じゃと思いながら読んでいる。これがどうして女性に人気があるの
かわからない。何しろ10巻もあり、読みにくさもあり、まだ半分ぐらいまで読ん
だところだ。ぼちぼち読むことにする。

 さて、太宰治であるが、「斜陽」を読んで、これも退屈であれば、以後一切読
まないようにしよう。

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09年07月24日 21時29分01秒
Posted by: mansyonkanrisi
 2年後の今日(7月24日)で、アナログ放送は終了する。マンションの地上デジ
タル放送(地デジ)対策については前にも述べたが、今日は、管理組合が近隣の住
民との約束で、近隣電波障害対策として共聴施設(テレビ受信障害対策共同受信施
設)を保有・運営している場合に限定して見ることにする。

 この場合には、単にマンション内部の問題ではなく、近隣の住民との関係にな
るので、問題が複雑ににる。その施設が地デジ対策をしていれば問題はないが、
そうでない場合には、近隣住民と話し合って、その対策を立てなければならない。

 地上デジタル放送に移行することによって、受信障害が解消される場合もある
そうだ。この場合には、基本的に受信障害対策は不要になる。各自で個別アンテ
ナによる等の受信に移行すればよい。
 しかし、地上デジタル放送になっても、受信障害が継続する場合には、マンシ
ョンの管理組合と障害の継続する近隣住民と協議して、その対策を立てなければ
ならない。

 共聴施設を地デジ対応に更新する場合、1,000万円単位の費用がかかると言わ
れている。この工事費用については、一定の要件の下で、国の補助が受けられる。
また、ケーブルテレビ等への移行することも考えられるようだ。マンション内部
の地デジ対策とも関連づけて決定する必要がある。

 色々なケースがあり、最善の対策を取らなければならない。早めに管理組合で
状況を把握し対策を決定して、近隣住民に提案し、協議をしなければならない。
 共聴施設の改修・廃止等の具体的な方法、費用の負担、日程の調整等を協議す
る必要がある。

 そのためには、共聴施設の保守業者や、近隣の電器屋等に確認しなければなら
ない。また、費用の見積り等も取っておく必要がある。地上デジタル放送で受信
障害が解消されても、アナログ放送が終了するまでは、現在のアナログ用の共聴
施設は引き続き必要だそうだ。

 直前になってあわてて業者に依頼しても、依頼が殺到してすぐには工事ができ
ないということも考えられる。また、直前には工事代金の高騰のおそれも言われ
ている。  

 総務省は、テレビ受信者支援センターを各都道府県に設け、相談に応じている。
疑問な点があれば、問い合わせるとよい。

   総務省大阪府テレビ受信支援センター(デジサポ大阪)
   〒540-0008  大阪市中央区大手前1-2-15 
       ℡ 06-6944-9919
  
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豊中マンション管理士会のホームページ
http://toyonaka.m-kanrishi.jp/
 
09年07月23日 20時10分48秒
Posted by: mansyonkanrisi
 住宅を造っては壊すというスクラップ・ビルド型から、良い住宅を造って手入れ
し、長く使うというストック型社会へと言われる。政府も、つい最近200年住宅政
策を掲げていた。

 これは新しい住宅を造るときは、長持ちする住宅を造ろうということを意味し
ているのであるが、現在の築30年ないし40年のマンションについても、ちゃん
と手入れして、100年、200年使おうということをも意味していると考えるべき
だ。

 日本では、マンションを含めて住宅の使用年数は、平均して約30年とされてい
る。これは欧米に比べて極端に短い。これは建物の耐用年数ではなく、単なる使
用年数だ。親の世代で住宅ローンを組んで、住宅を建てて、子供の世代でも、住
宅ローンを組んで、新しく住宅を建てるという繰り返しだ。

 右肩あがりの経済成長を続けていたときは、造っては壊すということが、経
済政策の中に組み込まれていた。ちゃんと働いていれば、それが可能だった。

 しかし、これからはそうはいかない。そもそも、日本ではマンションを含めて、
約660万戸の住宅が余っている状態だ。この余っている住宅を有効に利用する方
法を考えなければならない。

 親の世代で住宅ローンの支払が終われば、子供の世代では、その住宅を手入れ
して使う。マンションについては、孫の世代までも可能だ。もちろん、手入れを
するには、それ相応の費用はかかる。しかし、新しく住宅を買う費用に比べたら、
はるかに少ない。親の残した住宅を有効に使い、子供の世代では、無駄な住宅ロ
ーンの支払に苦しめられることのないようにしたい。

 高経年のマンションについては、極端に抵当権の評価額が減少する。これなど
は、使用年数を考慮しての評価だと思われる。実際の耐用年数を考えれば、まだ
まだ相当な価値があると思われるのにだ。

 また、不動産取得税の軽減措置や住宅ローン控除の適用、その他の税制におい
ても、マンションの場合、築25年を過ぎると適用されなくなる。これなども、不
当な取り扱いである。新しく住宅をどんどん建てて売りたい建設業界に都合のよ
い税制である。

 このように、国も経済の現状も、マンションについて、早くつぶして新しいく
建替えようという姿勢が見え見えだ。もっと高経年のマンションが市場でも流通
することを促進すべきなのに。

 過去に何べんも言ったが、専門家の話しによると、ちゃんとした修繕をやれば、
マンションは軽く100年は持つそうだ。それを前提に、国の政策を転換していか
なければならないと思う。

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09年07月21日 20時56分02秒
Posted by: mansyonkanrisi
 国土交通省の標準管理規約では、理事の任期を2年として、1年ごとに半数を改
選する方法を勧めている。しかし、現実は1年として、全体を入れ替えるところが
多い。

 平成20年度の国土交通省のマンション総合調査によると、役員(理事)の任期
を1年としているマンションは約66%になっている。2年としているところは約30
%である。

 管理組合にマンションの管理を自分たちでするという意識が乏しく、その管理
を管理会社に任せきりにしていたころは、理事は名ばかりであったから、任期を
1年とし、ごっそり入れ替えることにしても、その不都合はあまり意識されなか
った。

 しかし、最近は、マンションの管理組合の意識が高まり、その理事たちの管理
意識もずいぶん変化している。

 あるマンションで、理事会が管理会社に促され、大規模修繕するこを総会決議
し、理事全員が退任した。ところが、新しく理事になった人たちが、その大規模
修繕を時期尚早と判断して、工事を先延ばししようとした。これは良くある前年
度理事会と次年度理事会の意思疎通のトラブルだ。
 これに対して、管理会社は、総会で決議した以上、工事を実行しなければなら
ないと言った。
 
 法的には管理会社の言うことが正しい。管理会社としても、自分たちが主導し
た修繕工事であり、当然に利益がからむから必死だ。
 このような場合、新理事たちは、総会の決議に拘束されるから、大規模修繕を
中止するためには、新たな総会決議を要する。しかし、一旦決議したことをひっ
くり返すのは、なかなか困難であろう。

 そもそも理事の任期を1年とするのは、管理について問題点がわかったころに
交代しなければならないということになり、短かすぎる。任期はせめて2年にす
べきだ。
 そして、理事の半数を改選するということにすべきではないか。そうすれば、
前の事例では、修繕の計画をした理事とそれを実行する理事の半数は同じとい
うことになり、前年度理事会と次年度理事会の意思疎通のトラブルを防止する
ことができる。

 もちろん、これには管理規約の改正が必要だ。
 
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09年07月15日 17時35分09秒
Posted by: mansyonkanrisi
 去年は、8月まではビールが美味かった。翌日の新聞のスポーツ欄も楽しみだっ
たし、丁寧に読んだ。今年は、ビールが苦い。新聞のスポーツ欄もさっと流す。

 タイガースよどうした。今年は、道頓堀川から、23年ぶりにカーネルサンダース
像が引き上げられたというのに。85年タイガースがセリーグ優勝をしたときに、フ
ァンによって投げ込まれたものだ。あれ以来、タイガースは日本一になっていない。
カーネルサンダースの呪いと言われていた。

 去年は、8月までは快進撃。リーグ優勝間違いなしと思っていた。ところが、オ
リンピックに出るため、新井、矢野、藤川などがチームを離れてからおかしくなっ
た。彼らがチームに合流した後も、流れは変わらず、あれよあれよという間に逆
転劇。新井は腰の故障をおしてオリンピックに出場し、帰ってからも、満足に試
合に出られなかった。

 去年の悔しい思いもあり、カーネルサンダースの呪いも解けたし、監督も代わ
った。今年こそはと、期待して開幕を迎えたのだが・・・

 今年は、開幕前に、ワールドベースボールクラシック(WBC)があり、タイガ
ースから、藤川と岩田が選ばれた。それはそれとして大いに楽しんだ。日本は世
界一になり、日本中が大いに盛り上がった。

 しかし、2人は、目だった活躍もすることなく帰ってきた。岩田などは肩の故障
までしていた。それでも、ペナントレースでの活躍を期待した。

 ところが、開幕から、矢野、岩田が故障で欠場し、藤川は何だか本調子ではない。
新井はどうしたというほどの不調だ。去年の腰の故障は完治していないのか。それ
なら、将来のことを考えて休養したらどうか。

 今年のオールスターは阪神の選手はほとんど選ばれなかった。それはむしろ良か
ったのではないか。新井選手などは、どこか温泉にでも行って、ゆっくり体を休め
たらどうか。誠実で責任感のある男だから、責任を1人で背負っているように見え
る。大きいのを狙って何でもかんでも引っ張りにかかっているように見える。右に
流すヒットでも良いのではないか。

 勝負ごとは、最後の最後まで何があるかわからない。下駄を履くまでわからない。
去年のタイガースが良い例ではないか。
 
タイガースの後半戦の巻き返しを期待したい。

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09年07月13日 17時58分07秒
Posted by: mansyonkanrisi
 マンションの管理会社について「どこの会社が良いか」、ということを苦情を交
えて聞かれることがある。
 
 管理会社に対する苦情として、会社の担当社員(フロント)が頼りないとか、管
理人が気に食わないとか、そういう表面的なことだけではなく、様々である。それ
は、新しくマンションの役員になった人たちから特に出てくる。

 マンションの管理を業務として行う場合、国土交通省に登録をしなければならな
いとされ、この登録(有効期間は5年)を受けない者は、マンション管理業を行っ
てはならないとされている。したがって、管理会社としてそれなりの信用できる体
制はできている。

 会社が大きければ良いというものではない。小さいから信用できないというもの
でもない。
 全国展開している会社もあれば、地域限定の会社もある。そういうことで管理会
社の良し悪しを判断できない。

 同じ会社でも、管理組合の役員から苦情を言われるところとそうでないところが
ある。だから、あの会社だから良いとか悪いとかいうことは言えない。

 良く言われるのは、同じ会社でも、良い管理と悪い管理があるということである。
それは管理組合、つまり、その役員が管理についてしっかりと勉強して、管理につ
いて関心を持っているかどうかで、管理会社の対応が異なってくるということであ
る。

 管理組合の役員が、ちゃんと役目を果たして管理について管理会社と話し合って
いれば、管理会社はいい加減な管理はできない。そういうところの管理組合の場合、
管理がうまくいっているので、新しい役員からの管理会社に対する苦情は少ない。

 しかし、前の役員が管理について管理会社に任せきりで、管理について全く関心
がないところは、いい加減な管理が多く、新しい役員からの苦情が多いということ
だ。
 新しい役員が管理について真剣に考えれば考えるほど、苦情が出てくる。

 管理会社は、マンションの管理のプロだから、管理組合の役員が管理について関
心があろうがなかろうが、ちゃんとした管理をすべきだと思われるかも知れい。そ
れが、信頼関係を基礎にした委任契約ではないのかと。

 しかし、そういうものではない。管理組合と管理会社は対等な契約関係にある。
信頼関係に基礎をおくというのは、相手を無条件に信頼すればよいということでは
ない。相手が信頼できなくなれば、何時でも契約関係を断ち切れるという意味だ。

 信頼関係は、その費用に見合う管理をしっかりやっているかどうかを見極めて、
相手と十分話し合うことによって生まれる。その信頼関係が揺らげば、契約を何時
でも解消できるというのが、委任契約だ。

 管理会社の良し悪しは一概に言えないが、管理の良し悪しは良くあることだ。そ
れは管理組合、ひいてはその役員の良し悪しにかかってくるということを肝に銘じ
てほしい。

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09年07月09日 16時08分54秒
Posted by: mansyonkanrisi
 週に最低でも1本の映画を見ているが、すべてについて事前に十分検討してから
見ている訳ではない。あたりはずれがある。事前に検討して期待していてもはずれ
がある。人の好みもあり、仕方ないことだが。

 60歳のラブレターを見た。団塊の世代のはしりとして、興味があった。3組の男
女の関係を扱ったものである。中村雅俊主役の夫婦を中心に描いていた。

 やり手のサラリーマンが会社を退職をして離婚したが、再び元のさやに納まると
いうストーリーになっていた。なんかハッピーエンドにしたいという意図であろう
が、違和感があった。

 会社を退職した日に、家では専業主婦である妻や結婚を控えた娘が待っているの
に、若い愛人宅に寄った。そういう夫婦関係だということだ。すぐに2人は離婚す
る。

 ところが、夫は、愛人との関係がうまくいかなくなってきた。他方妻は、友人の
勧めもあり外に出て遊ぶことを始めた。そこで、いかにもプレイボーイ風の男に誘
われる。妻は忘れていた女を感じる。

 その男と妻は北海道の旅行に出かける。夫は、妻を心配して後を追いかける。妻
を自分に振り向かそうとする。結局、2人は再び夫婦としてやっていくという話。
別の2組の男女の関係については省略する。

 しかし、夫にコケにされ、挙句の果てに離婚までされて、はれてこれから自分の
人生を送ろうとしている妻が、愛人に捨てられ、落ちぶれた夫の元に帰ることがハ
ッピーだろうか。

 確かに、団塊の世代までは、明治の家風の名残りがあり、妻は万事夫を立て、専
業主婦として家事を完璧にこなし、家を守るという美風(?)があった。夫の少々
の浮気があっても、じっと耐える。

 そういう世代でも、離婚を機にそれぞれが別々の人生を歩んで行くことの方がハ
ッピーではないのか。妻が一人の独立した人間として、自分の力で生きていくとい
うことを描いた方がハッピーではないのか。

 同世代の夫婦が多数見に来ていた。すぐ横にも同世代の夫婦であろう2人がいた。
映画がはじまる前にちょっと嫌な予感がした。案の定、映画の途中で食事はするは、
無遠慮に大声で笑うわ。何かカバンの中をごごそ探す音を立てるわで、後ろの遠く
の席に変わるはめになった。自宅でテレビを見ている感覚を映画館に持ち込む奴が
たまにいる。
  
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09年07月03日 14時41分56秒
Posted by: mansyonkanrisi
 マンションを買うと、毎月「管理費等」として一定の金額を管理組合に支払って
いる。その中に「通常の管理費」と「修繕積立金」が含まれている。

 マンションを買う人は、「通常の管理費」と「修繕積立金」とを含めた「管理費
等」が高いか安いかということには関心が向く。しかし、「通常の管理費」と「修
繕積立金」を区別してそれぞれが高いか安いかに関心を向けて欲しい。

 通常の管理費は、日常の管理に必要な費用であり、管理会社に管理を依頼してい
る場合には、管理会社に支払われる。
 修繕積立金は、計画的な修繕計画に基づいて数年、ないしは十数年ごとに行われ
る計画的な修繕、大規模修繕のための費用として積み立てられる金額である。

 だから、修繕積立金は、将来のマンションの価値を維持するためのお金であり、
高くても自分たちに還元される金額である。

 ところが、何べんも指摘したように、多くのマンションにおいてこの修繕積立金
が不足して、将来必要な修繕ができないという問題が生じている。

 築10年を超えると、第1回目の大規模修繕が行われるのが普通である。この場合
は、分譲時にあらかじめ修繕積立基金として積み立てたお金などがあり、何とか
足りる。

 しかし、その後の大規模修繕は、もっと、費用がかかる。第1回目で、修繕積立
金基金はほとんど使い果たし、毎月の修繕積立金のみが頼りになる。これではと
ても足りない。

 途中で修繕積立金の増額を提案しても、なかなか総会で決議できないという事
態になりかねない。これは管理組合がかかえる最も深刻な問題である。今は問題
になっていなくても、将来、必ず問題になってくる問題である。

 ちゃんとした修繕をすると、まだまだ何十年も住めるマンションを、泣く泣く少
ない修繕積立金の範囲で修繕して御茶を濁すのか、それとも、泣く泣く各戸が数百
万円を臨時に負担して、ちゃんとした修繕を行うかの選択を迫られる。

 ちゃんとした長期的な修繕計画を立てて、それに従った修繕積立金の積立てを行
うことを今から真剣に考えなければならない。

 中古のマンションを買ったが、後に大規模修繕が行われ、修繕積立金が不足した
ため、思わぬ追加負担を求められたという話しも聞く。

 マンションの売買の場合、仲介業者は、買主となろうとする者に対して、あらか
じめ、修繕積立金について、重要事項として説明しなければならないとされている。

 「積立て額」も説明事項となっている。これは、マンション全体の積立て総額の
ことである。月々の積立て額や滞納額と並べて説明事項とされているが、これこそ、
マンションの隠れた価値を判断する金額だからだ。

 当該マンションが維持修繕の実施状況が記載されているときは、その説明が必要
とされており、このこととあいまって、現在「積立て額」がいくら貯まっているか
を見て、そのマンションの価値を判断しなければならない。
 「積立て額」が多ければ、その分価値が高いマンションということを知らなけれ
ばならない。

 このように、修繕積立金は、マンションの価値を決めるための重要な要素であり、
だから、売買のときの重要事項とされているのだ。

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09年07月02日 16時38分27秒
Posted by: mansyonkanrisi
 6月30日の朝日新聞1面に、「修繕積立金の横領相次ぐ」という記事が紙面の大
部分を占めていた。管理会社ぐるみの横領もあれば、管理会社の社員の横領もあ
る。

 手口はいろいろあるが、かなり長期にわたって横領されている事例が多い。管
理組合が、管理会社に印鑑と通帳を預けっぱなしにしていることなどが原因とさ
れている。

 会社ぐるみで横領している場合、ほとんどの会社が倒産しているので、修繕積
立金はほとんど返ってこない。管理会社が保証契約をしていても、1か月分相当
額しか保証されていない。これではあまり意味がない。

 会社の従業員が横領した場合には、会社に使用者責任を問えるので、会社が倒
産しなければ、横領額の全額が返ってくる。

 このような横領を防止するため、法律を改正して、来年の5月から、修繕積立金
の保管口座の印鑑を管理会社が持つことを禁止した。そして、管理会社は、管理
組合に、会計状況報告を毎月することを義務付けた。

 しかし、横領事件は、管理組合の役員をだましたり、数々の偽造をこらしてやっ
ているので、なくなることはないと思われる。

 横領事件を防止する最も効果的な方法は、管理組合の役員がしっかりと自分の
職責を果たすことである。役員がしっかりしているところでは、横領など起こり
ようがない。

 管理会社に対して、毎月銀行の残高証明を送ってもらうようにするとか、場合
によっては、管理組合自身で直接残高証明を取り寄せることも必要だろう。

 管理会社を信頼するなと言っているのではない。マンションの管理は、管理組
合が第一にするものであるということだ。管理会社に委託するのは、管理のまる
投げをしているのではなく、管理の補助をしてもらっているのだということを肝
に銘じて欲しい。修繕積立金の管理は管理組合が全面的に管理すべき事項だ。
 
 管理組合の理事が横領する例もある。1人の理事に何もかも任せきりで、他の
役員が自分の職責を果たしていない場合に起こる。

 これらの横領事件を防ぐためには、理事長が印鑑を持ち、会計担当理事が通帳
を持つということを取り決めておかなければならない。そして、監事は、決算の
ときだけはんこを押せばいいというものではなく、毎月の残高証明などを監査す
るという取り決めをする。
 それぞれの役割を、会計に関する細則にルール付けしておくということが必要
だ。

 多くのマンションでこれから問題になってくるのは、修繕積立金の不足の問題
だと、度々述べてきた。こんなことで、ただでさえ不足しがちな修繕積立金が減
るということはあってはならないことだ。

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