2009年 6月の記事一覧

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09年06月26日 09時00分00秒
Posted by: hansoku
下町には飲食店など老舗が多い傾向がありますが、長く商売を続けている店にはそれなりの理由があります。それは、単に好立地であることだけでなく、「はとバス」との提携でとにかく客を送り込んでもらえる仕組みを構築していたり、たゆまず広告宣伝・広報活動に力を入れていたりすることなどです。

ある老舗のお店では、天ぷらそばを注文すると丼から大きくはみ出した長いエビ天が乗っかってきます。初めて訪れた人は一様に驚き、後日かならず親しい人に話をします。それも、少し誇張して。

これが、口コミのスタートです。提供される商品・サービスに、人に語りたくなる何かがある。その「何か」は、うまくすればそのまま新聞・雑誌から取材してもらえる要素たりえるかもしれません。

企業のミッションにかかわるような大事でなくとも、口コミは発生します。しかし、企業理念と切り離してはウソ臭くなってしまうのも事実。たとえばデニーズは「ようこそ、デニーズへ」とお客様を迎えていました。

そこには後発だけれども米国ブランドならではの洗練とユニークさをめざす企業姿勢が映し出されています。当初、訪れた人たちはその出迎えに面映ゆい感情を抱きながらも、異質な体験として友人たちとの話題にしたものです。

お客が注文すると「よろこんで!」と応える、やる気茶屋という居酒屋もありました。同チェーンの経営者が、お客様に心から尽くさなければビジネスの成功はないという考えの持ち主であることは想像に難くありません。

また、ある居酒屋ではドリンク類の注文が出そろったところで店員が「乾杯の音頭をとらせていただいてよろしいでしょうか?」と笑顔で問いかけ、気の利いた言葉で乾杯に導き、その場をちょっと特別なものにしてくれます。

こうしたソフト的な仕掛けで口コミを促進するなら、特段の予算をかける必要もありません。必要なのは、お客様に強い印象を与えるおもてなしのミッションです。そう、それは待ち時間でさえも楽しませてくれるディズニーランドのような。

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09年06月25日 09時00分00秒
Posted by: hansoku
お客様の店頭での感情は、マーケティング理論ではあまり語られていないようです。そこには、米国発祥のマーケティング学に対し、日本特有の店頭事情があるからでしょうか。たとえば、欧米のブティックでは、商品にべたべた触ってほしくないと考えている。しかし、日本人は触れてみて、手にとって、鏡を見てみなければ似合うかどうかわからない、と考えるように…。

それはともかく、店に足を踏み入れる時に気後れしたり、接客されたら買わずには店を出づらいなどの感情は、あまり計数化されていません。というか、計数化しにくい。

それでも、自分が買物する側に立ってみれば明解なこともあります。しかし、それとて多くのお店で実践されていないのが現実です。「子供を不良にしたければこうしなさい」という逆説的な教訓にならうなら、「お客様に敬遠されるお店をつくりたければこうしなさい」とでもいうべき項目が次のようなものです。

     お客様に敬遠されるお店づくり8ヵ条
 ・入口に立って、お客様を待ちましょう
 ・お客様が来店したら、すぐに近寄って何をお探しか訊きましょう
 ・いつでも説明できるよう、お勧め商品のそばに立ちましょう
 ・セルフサービスではなく、ご希望に応じて商品を取り出すようにしましょう
 ・お客様に似合う商品を積極的にお見立てしてあげましょう
 ・お客様が選択できるよう、できるだけ多品種を取りそろえましょう
 ・セールストークはよく練習して、一気にまくしたてましょう
 ・店員同士、なかよく雑談しましょう

なかには、これは良いことなのではないか? と思える項目もあるのではないですか。けれど、ショッピングの主役である女性、とくに可処分所得の多い顧客層にとっては、いずれも避けるべき接客行動です。

顔なじみしか来ない商店街のはじっこの店ならいざしらず、不特定多数のお客様が多いショップでは致命的でしょう。これはマーケティングがどうのこうの、ではなく、日本人の感性の問題ですので、多くのチェーンストアでも対応できていない点です。

ただし、109や丸井など若年層向けのショッピングビルでは、この8ヵ条を実践することで逆に好成績を上げているマネキンさんがいくらでもいるのも事実。あらゆるショップに一概にあてはめることはできませんので、注意が必要です

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09年06月24日 09時00分00秒
Posted by: hansoku
前記事では広告を空中に浮かべる方法という記事を書きましたが、今回は壁などに投影した広告が歩行者についてくるというものです。

その名も「フキダシステム」というこのサービス、特定のエリアを移動する人の近くに広告メッセージのフキダシを投影し、それがぴったりついてきます。キャッチコピーだけでなく、画像や動画も投影することができます。複数の人に、それぞれ異なるメッセージを投影することも可能です。

これまでの静的なポスターでは見過ごしにされてしまうところが、このシステムなら注目を得やすいというメリットがあると開発元は強調しています。現場に必要な機材はカメラとPCとプロジェクターと手軽な印象。ただ、フキダシと限定するよりも、ポスターがついてくる、と表現したほうが適切でしょうか。〔フキダシステム〕というネーミングも、ちょい微妙です。

また、複数の人に別々のメッセージを配信(?)できるわけですから、年代・性別などの属性をその場で自動認識して広告を繰り出すことができれば効果はさらに高まり、媒体としての価値も出てこようというもの(現時点ではムリ)。

今後、「より高度な技術との組み合わせを模索したい」と開発元は発言していますが、やはり技術よりもソフトウェアのほうが大事でしょうね。たとえば、どのような商品広告に活用するか、どのような表現手法でアピールするか…。毎日の通勤(痛勤)時に、自分の意思とは無関係に不要なフキダシがまとわりついてきたら不快に感じる人もいるでしょうから、誰もが楽しく感じてくれる表現と商材でなければ逆効果になってしまいます。

そういう観点から、特定のイベント会場など似た目的や近い属性を持っている人々に向けて発信するのが効果的では。また、これまでの採用事例では映画宣伝などが多いようですが、子供やギャル向け商品に、動くことをうまく取り入れた表現アイデアで発信するとおもしろくなるはずです。

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09年06月23日 09時00分00秒
Posted by: hansoku
先の米国大統領選挙戦において、オバマ候補がゲーム画面に広告を出したとして話題になりました。バーチャル空間への広告出稿、というわけですが、今日はそれを現実空間に置き換えるという話です。

「セカイカメラ」というソフトウェアを搭載したiPhoneでカメラ機能を起動し、周囲に向けてみると写真や文字情報がいくつも空中に浮かんで見えます。近くに位置する情報は大きく、遠くの情報は小さく表示されます。

これは、“エアタグ”という拡張現実技術で、将来的には店舗のセール情報や自販機の新製品広告などが表示されることになるものです。まるでドラゴンボールに出てくるスカウターのような現実離れした機能ですが、2009年2月にパリで行われた「世界を変革するインターネット技術ベスト10」にも選ばれた話題の技術です。

テクニカルな面でいえば、Wi-Fiなどの情報通信によって基地局と位置属性をやり取りすることで可能となるサービスなのですが、すぐにも実用化されるというわけではありません。それでも、いち早く評価したフランスでは、パリの博物館で採用したいとの引き合いがあるようですし、開発会社によると「観光地の案内、ショッピングセンターや街中での店舗への誘導、広告など、さまざまな利用法が想定される」とのこと。

不案内な土地やショッピングモールの中で使用できるなら役に立ちそうな気がします。それでも、すべてが広告では辟易しますので、道案内や欲しい情報をメインに表示しながら広告も表示される、あるいは表示してほしい情報のカテゴリーをあらかじめ指定する、などの活用法が現実的ではないでしょうか。

いわば、広告や看板、POPを無尽蔵に設置できるようなこのサービス。業界内の人間にとっては「どう利用してやろうか」とワクワクするところですが、普通の人にとっては売り込み情報はもううんざり、といった反応かもしれません。

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09年06月22日 13時00分00秒
Posted by: hansoku
中央区から橋を渡った江東区あたりでは、倉庫会社や電気設備会社がショッピングモールの大家さんになったり、貸しスペースを開いたりしています。

江東エリアは、都心の便利な足回りを持ちながら、過去に有効利用されてこなかった土地柄。また中央区・八丁堀の路地裏には、古いビルが取り壊されたまま建築がはじまらず、結局は100円パーキングになってずいぶん経つ、という地上げ屋どもが夢の跡も目につきます。

こうした例に限らず、会社や商店にはちょっと持て余し気味の遊休スペースがあったりするものです。本記事でご紹介したい「軒先.com」は、そんな企業や店舗、あるいは個人が貸したい空きスペースを「軒先」として登録・検索できるサービス。

実はこのウェブサイト、ベンチャーフェアJapan2009の「ベスト オブ イケベン賞(イケてるベンチャー)」で最優秀賞を受賞しています。ちょっと縮み気味の現在のビジネスモードと、ばっちりマッチングしたかたちですね。ただし、現状のウェブサイト自体の使い勝手は、相当改善の余地あり。現在はシロウトさんのお絵かきレベルのレイアウトでできており、導線に問題アリです。

軒先.comでは、文字通り軒先や駐車場脇の空間を、時間単位、日単位で貸し借りすることができ、料金も数千円からとお手軽。よく地下鉄やJRの通路、デッドスペースでアイデア商品やアクセサリーなどの物販をしている場面を見ますが、そんなワゴン販売でも、屋台の引き売りでも、焼き立てメロンパンでも、なんでもオッケーです。

都心部の小さなレンタルオフィスも好調のようですが、こうした小さなスペースを借りて新たなビジネスを試してみるのも、面白いと思いますね。スモールビジネスの新しいチャレンジにも、ビッグビジネスのパイロットショップとしてもよいのではないでしょうか。

弓削徹メインサイトではご相談をお待ちしています。
09年06月19日 17時40分54秒
Posted by: hansoku
新規開店に必要な情報源お店をオープンするときに、「居抜き」を活用することってありますよね。今回は、それについての話です。

飲食店や美容院などは店舗内装に多額の費用がかかります。成熟産業であればあるほど、インテリアやお店の雰囲気などでも差別化する必要があるわけで、とくに新奇なコンセプトの飲食店では、内装命! なところがあります。

しかし、ひとたび経営不振から店舗閉鎖となったときには、その内装費の償却が問題に。残価値があるのに原状回復工事を行い、その費用を払って大家さんに返さなければならないわけです。仮に、お店を引き継いで経営してくれる経営者が現れれば、内装費用の残価値を買い取ってもらえるうえ、原状回復工事の出費もなくなるのですから、万々歳です。

「店舗そのままオークション」は、そうした退場オーナーと、新規オーナーの橋渡しをするウェブサイトです。たとえば、現状店舗の内装を原状回復して返す場合、200万円の工事費がかかるとします。ところが、同サイトを活用して新規オーナーが見つかり、300万円で売却できたと考えると、合計500万円のプラスに転じるわけです。

このため、なかには「1円で譲ります」物件や、「50万円の運転資金をプレゼント」物件まで出てくる状況に。もちろん、このサイトは、新規開店を計画している起業家の方々にとっても、じゅうぶんに有益な情報交流の場であるといえるでしょう。

ただし、注意が必要なのは、店舗が閉鎖となったのには何らかの理由があるということ。それが納得のいく理由であることや、成功に導くため明確な店舗コンセプトがあなたにはなければなりません。そして、その店舗コンセプトを具現化するためには、たとえ一部でも効果的に改装を行う費用は別途用意する必要があるということでしょう。

弓削徹メインサイトもご覧ください。
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