国内景気の底入れ感が高まって来た。

昨年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は

前期比年率で0.4%減と、マイナス幅が大幅に縮小した。

百貨店の西武池袋店ではロレックスなど海外ブランドの腕時計や

真珠ネックレスなど売上が昨年から2割上がっている。(日経)

円高修正と株高を背景に家計の消費意欲が、

富裕層を中心に資産効果が表れて来た結果としている。


内閣府発表の1月消費動向調査で、

消費者態度指数(一般世帯の季節調整値)は43.3と前月より

4.1ポイント改善し、過去最大の上げ幅となった。

消費者態度指数は昨年12月まで4カ月連続で悪化していたが、

一気に改善し「デフレ心理」に変化が出て来たことを予想させる。


家計消費に大きな影響を与えているのがネット通信販売だ。

セブン&アイなど主要小売業40社の2013年ネット通販売上高の合計は

1兆円を超える見通しで、各社はネット販売にシフトを急いでいる。(日経)

12年度の売上は前年比23%増の8600億円で、13年度は更に30%アップの見込み。

イトーヨカ堂のネットスーパーの営業利益は20億円と1割アップし業績を下支えする。


消費者の購買心理は「時間の節約」であり、

楽をしてスーパーの店頭と同等の商品が購入出来れば、今後もこの勢いは増して行く。

マクドナルドの今期減益決算の例にあるように、

消費者は店頭まで足を運ぶ為には、商品以外のサービスや心理的動機が必要になっている。


既存店舗の客数減少は続いており、小売りサービス各社の対応は分かれて来ている。

・西友は来期中に食品や日用品を中心に2000品目値下げする計画を発表した。

 第1弾として18日から700品目を平均6.5%値下げする。

 ダイエーやイオンも追加値下げを発表しているが、価格訴求で客数増を狙っている。


・コンビニのミニストップとココストアはPB商品など300品目を共有化し、

 仕入力を拡大して価格競争力を付け、客数増を図って行く計画を発表した。

 4月までにイオンのトップバリューPBを新たに導入する。


・3月に開店する「イオンモール」春日部店、つくば店では

 物販以外のペットも楽しめるドッグランやフットサルコートを併設し、

 滞在型の利用施設・テナントを増やし、「コト消費」への対応型店舗にする。

 消費者を商品以外のサービスで客数アップを図る店づくりも進んでいる。


惣菜売場の強化・刷新を図るスーパーが増えている。

・ダイエーは来期中に惣菜と生鮮部門の垣根を取り払い、

 すぐ食べられる「調理済食品」をまとめて販売する売場づくりをする。

 鮮魚部門の生寿司や焼き魚・煮魚惣菜と惣菜売場を一つに括った売場づくりと

 弁当の炊飯や配送を見直し、商品力の強化を進める。


・首都圏のコープネット連合は3年間で約170店舗の改装を実施、

 日用品や雑貨を絞り、惣菜売場を15~30%拡大する。

 改装ではサラダ関連をまとめた「サラダステーション」

 電子レンジで加熱するだけの「レンジアップデリ」、

 その他魚介の干し物コーナーや冷凍調理品売場の拡大を計画する。


外食では「丸亀製麺」の出店スピードが年間100店舗と好調を維持している。

・栗田社長はその要因を

 「効率を目指した安易な仕組みではなく、直営で対面販売、店内製麺のこだわり、

 専門店のイメージを追求した結果」としている。

外食もコンビニとの競争が激しくなる中で、商品の専門性に加えて

お客様とのコミュニケ-ションがある瞬間を大切にして、客数増加を図っている。

又、直営を重視しているのは、うどん専門店を目指し、出来たて作り立て、

手作り感へのこだわりを重視しているからだと話している。


スーパーの惣菜強化も消費者からの目線では外食と全く同じだ。

惣菜売場の拡大も必要だが、

「出来たて作り立て、手作り感へのこだわり」を持って専門店化を図って行く事であり、 

ネットスーパーでは出来にくい差別化要因にも通じる戦略になる。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


その他、興味のある方は: http://www.asahi-kikaku.net