2012年 10月の記事一覧

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12年10月28日 11時52分34秒
Posted by: asahikikaku
10月の日経消費DIは前回の7月に比べ6ポイント低下した。

(DI-消費関連企業の景況感を示す判断指数)

3カ月後の業況見通しはマイナス17と前回に比べ8ポイント低下。

昨年の震災から今年4月まで回復していた業況は、前回7月から落ち込んでいる。

又、「今後3カ月の客数」もマイナス1となり4期ぶりのマイナスになった。


今年のボーナス・年末商戦の見通しは10月DI調査の回答では、

「前年並み」の回答が61.2%と昨年の調査より8.4ポイント上回った。

夏から秋まで売上を落としている為、年末商戦への期待は大きい。

百貨店ではおせちの予約商戦が始まっているが、新聞報道によると

・そごう西武では受付から先週までで、前年比10%増と好調な出足。

・高島屋東京店ではクリスマスケーキの予約で、すでに5品が売り切れた。

年末商戦は不況感が出れば出る程、消費者の期待は大きくなる。


日銀は22日公表した地域経済報告で、震災復興需要が底固い東北を除いて、

全8地域の景気判断を下方修正した。

日銀が地域経済報告で8地域の景気判断を下げるのは、

リーマンショック後の2009年に全9地域で下げて以来、

3年9カ月ぶりと7月の報告から一転した。

日中関係の悪化や輸出の不振が景気の足を下押しする構図がハッキリして来たと報じた。


個人消費が冷え込んで来ている中、日本マクドナルド原田社長は

「新商品を投入するより、確実性の高い定番商品で売上を取って行く」と強調した。

そこで日々の買い物の中心になるのが食品スーパーの小型店。

SMの小型店が計画どおりの利益を出していけるかどうかがスーパーの行く末にかかっている。


・マルエツは小型店「マルエツプチ」で生鮮品の自動発注を開始する。

 マルエツは都市部の小型店で1日当り、1人の作業を3時間削減出来ると見込む。

 客数や数量PI値から予測して、在庫確認して発注の手間を省いた発注をするが、

 天候の変化や地域催事に対応出来るように、従業員の発注修正が出来るようにする。


・西友は7月からテストして来た精肉の自動発注を関東と長野県内の200店で実施する。

 担当者の思いこみや感覚に頼った発注をなくし、担当者不在時の発注精度アップを図り、

 将来的にじゃが芋や玉ネギなど相場安定している商品に自動発注を拡大する。


・小型店のローソンは今月末までに全国で野菜と精肉の取扱いを始める。

 加工したカット野菜と冷凍肉6品目を扱い、コンビニの客層拡大を見込む。

 ローソンでは04年に27%だった女性客の比率は11年には40%に上がっているという。


・外食のサイゼリヤはスパゲティなど単独メニュー小型専門店の出店を始める。

 スパゲティ専門店では価格帯をS¥290、M¥390、L¥490など

 プライスラインを分かりやすくして対応する。

 外食店もコンビニのように「機動的に消費者のニーズに答える事が必要」と

 サイゼリア堀埜社長はいう。


・米のウォルマートは「ネイバーフッド・マーケット」と呼ぶ小型店の出店を強化する。

 都市や近郊地域を狙い、小型店の出店を加速してEDLPをベースにした成長を狙う。

 同社では小型店の強化で今後景気が悪化しても成長が見込めると計画する。


景気減速は明らかになり、個人消費が冷え込んで来る中、

小型店の位置付けが大きくなり、サービス力が決めてになってくる。

小売・サービス各社は客層の拡大や1点でも多く消費してもらう為の

戦術を磨いて生き残りを模索する。


上期小売業の厳しい業績が発表される中、

ヤオコーの4~9月期連結営業利益は前年同期比1%増の62億円になったと発表した。

ほぼ前年並みだが、スーパー他社が減益の中で目立つ決算となった。

同社は低価格品を拡充したり、ポイントカードの導入で集客力を図り、

生鮮・惣菜の商品開発や提案力で客単価アップを図っている。


消費の2極化は良く言われて来ているが、

今後の集客と客単価アップには2極化の要因である低価格と高質戦略を

並行して取り入れて行く事が重要になっている。



今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年10月21日 11時17分58秒
Posted by: asahikikaku
スーパーの上期(3~8月期)は厳しい業績発表が続いた。

・イオンリテール、営業利益前年同期比マイナス57%、42億円

・イトーヨーカ堂、営業利益前年同期比マイナス88%、7億円

・ダイエー、営業利益赤字15億円

・ユニー、営業利益前年同期比マイナス17%、70億円

・ライフコーポレーション、営業利益前年同期比マイナス46.8%、31億円

・マルエツ、営業利益前年同期比マイナス59.4%、16億円

東日本震災後の恩恵を受けたスーパー各社は、

12年上期の減収減益決算から下期に向かって、

今期の営業方針の軌道修正を打ち出して来ている。


1、低価格訴求

 最大手のイオンの格安PB「ベストプライス」の更に1~2割の値下げ。

 ELPの西友は13年中には約1000品目を5%の値下げなど

 スーパー各社は低価格PBを中心に値下げ方針を打ち出している。


2、専門店化

・イオンは惣菜専門店オリジン東秀が進める「デリカワールド」

 自転車専門店の「イオンバイク」や酒類専門店「イオンリカー」など

 新たに14分野をイオンやグループ各社に取り入れる。


・食品スーパーの惣菜では手作りのお好み焼やお萩、おにぎりが広まっており、

 店内調理のお惣菜計り売りが夕方の主婦層に人気が出ている。

 スーパーの惣菜は手軽に作れる冷凍食品や調理済加工品が多いが、

 店内調理の惣菜は地域の味付け、素材の美味しさで人気が出ている。

 又、生鮮3品を原料にした焼き物、揚げ物、煮物やサラダは

 鮮度と味訴求で専門店化の流れに乗ってお客様の評価は上がって来ている。


専門店化の流れはスーパーだけではなく

・コンビニの店内「カフェ」でドリップコーヒーを提供する動きが広まっている。

 スリーエフは13年春までに現在の2倍に拡大する。

 ミニストップは全2200店のコーヒードリップマシンを刷新する。

 その他、ファミマやローソンなど同業も100円台の店内コーヒーに力を入れる。


・FRのロイヤルホストは素材の質の高さや調理技術を追求し、

 今回、「イタリアンフェア」で老舗チーズ工房の「パルミジャーノレジャーノ」

 や最高峰のパルマ産生ハムや本場の素材にこだわった。

 その他セット物にこだわり、注文比率は52%と前回より11ポイント上がった。


3、利便性

・MV西日本は医薬品売場の拡大に力を入れる。

 各店に配置する有資格者の採用を強化し、15年までに全店に広げる。

 DrSが食品の品揃えを拡大し、食品スーパーの顧客を奪っているのに対抗し、

 DrSの顧客を取り込もうとする戦略だ。


4、効率化

・西友は関東と長野県内のスーパー200店で精肉の定番品について

 自動補充システムを導入し、発注担当者の業務効率化や売り逃しリスク削減を狙う。

 担当者の思いこみや感覚に頼った発注ミスを無くし、発注精度アップを図る。

・その他、イオンの精肉センター加工の拡大などインストア作業の軽減と効率化の波は

 コスト削減の対策としてスーパー各社が力を入れて来た。


5、M&A

・M&A助言のレコフ集計によると、2012年4~9月の消費関連企業のM&Aは

 前年同期に比べ51%も増えた。

 小売関連ではアークスがジョイスを50億円で買収、

 Jフロントりテリングがパルコを423億円で買収

 イオンが英テスコの日本法人テスコジャパンを1円で買収など

 店舗段階で利益が出ている内に、買収・統合が進んで行く。


6、人材育成

 不況が長引き、きれいに陳列していても売れない時代、

 ユニクロの柳井社長は新聞報道の中で

「日本経済は苦しいだろうが、チャンス。伸びるところは伸びる」と語っている。

 そのキーマンはパートを含む全員経営。

 特にスーパーは地域密着の店舗運営がキーポイントであり、

 パート一人ひとりから戦力として活用出来る人財育成が重要になっている。


不況期こそマネジメントの時代。

消費者に対しては「低価格」と「専門店化」品質の2極化で攻めていくが、

守りにおいては人財を育成しながら、コスト削減の仕組みづくりを一歩ずつ

計って行く事が不況時代の生き残り条件になる。
 


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年10月14日 12時34分53秒
Posted by: asahikikaku
内閣府がまとめた9月の街角景気は2ヶ月連続で悪化した。

景気の実感を示す判断指数は41.2と8月を2.4ポイント下回った。

厳しい残暑で秋物が不振だったことに、

日中関係の悪化で中国からの団体客のキャンセルが出始め、

景気への懸念する声が出ている。

9月は「家計」「企業」「雇用」の全分野で悪化している。


又、2~3カ月後の先行き判断指数も0.1%低下して、

5カ月連続で前月を割り込んでいる。

海外経済の減速で輸出が減り、補助金政策で支えて来た個人消費にも

陰りが出て来ており、小売業の売上は前年を下回って来ている。


消費者の生活防衛意識の高まりを受けて、

スーパー各社の価格競争は年末に向かって激しさを増すようだ。

・イオンは3つのPBの内「トップバリュー・ベストプライス」で

 従来のPBより更に2~3割安い格安PBで13年度は11年の2倍を見込む。

その他、西友、マルエツ、ユニー、バロー、ダイエーなど大手スーパーが

6月から相次いでNB商品の値下げを表明して実施した。


そのスーパーの値下げ合戦の影響が出ているのか、

コンビニの6月以降の既存店売上は前年比マイナスに転じている。

・ローソンは13年2月期既存店売上高予想を期初の1%増から0.5%増に下方修正。

 その他セブンイレブンやファミリーマートも6月以降は落ち込んで入ると報道。


しかし、コンビニは限られた売場で客層を拡大するべく、売場の改装を始めている。

・セブンイレブンは陳列棚の高さを20cm程高くして

 調味料や日用品などスーパーが強い商品を増やした。

・ローソン、ファミマは売場を従来より2割近くの拡張で品揃えを増やす計画で、

 従来は2500品目だが、それを2800~3000品目に拡大する。

 その他、新型店ではスーパー同様、イ―トインコーナーも設置するなど

 商圏に眠る潜在需要を掘り起こし、成長を維持する計画が進んでいる。


・又、ファミリーマートは自動販売機でおにぎりやサンドイッチなどを販売する

 「自販機コンビニ」を導入し、首都圏や関西など2015年までに

 現在の3倍近い1500か所に設置する計画。

 オフィスや工場、スタンドで1日300~400人の利用で採算を取れるという。


値下げ競争で生き残れるのトップ企業に限られ、

小売業は変化して行く消費者ニーズをいかに捉えるか、

消費者の「あったらいいな」と感じる潜在ニーズをいかに掘り起こすかにかかっている。


日経の消費分析によると、東日本大震災から1年が経ち日本人の消費意識の変化は

・物を買う前にじっくりと必要な物を考える

・機能や特徴をより確かめて物を買う

・長く使えるものを選ぶ

又、震災後に変化した節約や安全、防災意識はより高まっていると答えている。

特に「南海トラフ」地震の危険から近畿圏の防災意識は強まっている。


小売大手のイオンは防災協定を結ぶ自治体を増やす一方、

大型店に自家発電装置をつけて災害時の営業が出来る体制づくりを強化する。

セブン&アイHDも自治体との協定を増やし、

災害時の支援物資の提供や店舗スペースの開放する。


日本政策金融公庫の消費者行動調査によると

60~70歳のシニア層で健康志向がより高まっていると報道。

・栄養バランスを気にするが70.9%

・加工食品を買う際は原材料や品質を優先するが46.7%

・その他に少量化、健康機能が強化されている物

など、他の世代と比べて回答比率が高い。


日本水産は3年後を目途に魚の油脂に含まれるEPAやDHAなどを

配合した機能性食品を現在の3倍強の70億円に引き上げる。

マルハニチロHDも同様に3年後に生産を2倍に増やす計画。

・日本水産は「イマークS」や「豆乳クッキー」

・マルハニチロは魚肉ソーセージ「リサーラ」の販売に力を入れる。


マルエツは11月から夕食弁当の宅配サービスを始める。

1食¥500で月~金曜の5日間コースと週末を含めた7日間コースで

前払い方式で毎日の夕食時間帯に配達する。

現在の夕食宅配は外食ワタミが全国展開に踏み切っており、

その他、各地域では生協やパルシステムが実施し、注文数量を増やしている。


お客様は店を開けて待っていても来てはくれない流れに、

こちらから注文を聞く、商品を届ける時代が近づいて来ているようだ。


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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12年10月07日 11時56分40秒
Posted by: asahikikaku
上期(3~8月)の決算が発表されていますが、

業績に優劣が出た内容になっています。

・中国地方以西が地盤のスーパー・イズミは

 売上前年同期比    3.9%増

 営業利益前年同期比 10.2%増 と業績は好調を維持しています。

イズミは豊田自動織機と取り組んで、売場の効率化を進め、

売場の無駄を徹底的に省く「トヨタ生産方式」を応用し、

商品の陳列や配送、作業工程を全面的に見直し、営業効率アップにつなげるとしています。

売場だけでなく、バックヤードまでを含めた店舗全体で取り入れ、

12年2月期比で3%のコスト削減につながると見込んでいる。


・小売大手のセブン&アイのスーパー部門は

 売上前年同期比    1.4%増ですが、

 営業利益前年同期比 -20.4%減と苦戦。

又、

・ダイエーの営業利益は赤字に転落したと公表しています。

 13年2月通期でも、営業利益は約6割減の予想をしています。


・ゼンショーHDは首都圏で食品スーパー約50店を展開するマルヤを買収すると発表。

 マルヤは2013年2月期で営業利益は7億円の赤字を予想し、

 6期連続で赤字になっています。

 ゼンショーHDは牛丼ではトップ企業ですが、商品スーパーを手がけるのは初めてで、

 食品関連としてグループの調達網を生かして立て直しは可能としています。

 飲食もスーパーも同じサービス業として、

 お客様志向の店づくりが出来るかどうかにかかっています。


・ローソンの上期決算は

 売上前年同期比    4%増、

 経常利益前年同期比  5%増 と2年連続で最高益を更新した。

その他御三家のセブンイレブン、ファミリーマートも上期に最高益を達成していますが、

ミニストップの連結決算は

 売上前年同期比    4%減、

 経常利益前年同期比 -22%減 の43億円だった。


少子高齢化の追い風を受けた形で伸びているコンビニ業界だが、全て好調ではない。

国内スーパー、コンビニや飲食のサービス業の業績は、

好調組企業とその他企業との差が大きくなって来ている。

縮小する市場にあっても、消費者志向と利益志向で伸びている企業は存在する。


その一手として小売り各社が力を入れているのが、PB商品開発。

・大手のイオンは家庭の夕食用として販売するPB冷食の

 「トップバリュー・レディミール」の品揃えを今期末までに47品目に増やし、

 価格は¥298などで同シリーズの売上を4倍に伸ばす計画。 
 

・セブン&アイは「セブンプレミアム」冷食の売上を今年度前年比5割伸ばす計画。

 特に1人用パスタなどが好調で、これまで弁当用が中心だったが、

 コロッケなど80g前後の商品を投入し、夕食需要に対応する。


冷食はお弁当シリーズで伸びて来たが、

少子高齢化社会は夕食用として冷食の存在が大きくなってきた。


・ファミリーマートが5月に発売した高級アイスPB「ジェラート」は

 5~8月の高級アイス販売ランキングでハーゲンダッツを押しのけ、

 1~3位を独占した。

 開発・製造したのはロッテアイスで、ジェラートは高コストのストレート果汁を使用、

 独特の生産技術を確立し、商品化を決めて成功した。


・東急ストア中目黒店の惣菜コーナーで一味唐辛子や抹茶で味付けされた

 色鮮やかないなり寿司・6色セットが連日売り切れ、人気を博している。

 この商品開発に商品卸しの日本アクセスが音頭を取り、メーカー各社と取り組み商品化。

 同社は食品メーカー約1万社とのパイプを生かし、卸しの強み生かし商品開発まで手掛ける。


シェアトップのメーカーが小売PB生産を手掛ける事例が増えている。

メーカーとしては生産ラインの余裕分を積極的にPB生産に振り向ける考えで、

工場で採算を取るには、固定費回収の面で利益より売上を優先する考えがあるようだ。

又、ファミリーマートのジェラートのように、売上のトップ3をPBが占める例が出て来ると

今までのようにNBとPBを比較陳列する必要性もなくなり、

NBやPB関係なく、価値ある商品を消費者は選択する時代になって来た。
 


今週の1品 * スーパーのお惣菜、弁当、寿司


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