人を育てる叱り方というのは、難しいものです。
あまり激しく叱ることにより、還って同じ失敗を繰り返すようになったりします。

人は、精神的に良い状態と悪い状態を交互に繰り返しています。
良い状態の時、どういう好ましい行動をする傾向があるか?
悪い状態の時、どういう行動をする傾向があるか?
をよく観察しましょう。
それらを把握した上で、叱ると好ましい行動を多くとるように導けます。

つまり、
その人の本来の姿が良い状態の時であると頭に入れて叱るのです。
「らしくないね。○○君なら普段、こういう行動はとらないよね。普段は、こういう行動を取るよね。または。こういう判断をするよね。どうして、今回は、どうしたんだろね」
などと良い状態を呼び起こすように叱りながら、導くことが大切です。

例えば、あるパン屋さんの店長さんがいます。
彼女は、良いときは、人の意見をよく聴き、人のやる気を上手く引き出し、人の長所や強みを活かします。
しかし、悪い状態の時は、完全主義に陥り、自分で何でも抱え込み、任せたことは任せ放しになってしまいます。
疲れがたまったり、落ち込んだりして悪い状態になったときは、良いときの状態を互いに確認し、今はどうなっているかを確認し、どうしたらよいかを話し合うとすんなり良くない状態から脱します。