昭和3-40年代は日本社会党や総評が大きな勢力を保持していたが、社会主義は労働者を最も大切にし、平等な社会にするとの幻想を抱いていた日本人が沢山居た為でもある。反対に自由民主主義を信奉しそれを押し広げようとするアメリカ等は、“帝国主義”勢力と見做されていた。然し社会主義諸国が実際は独裁体制でソ連東欧諸国が民主化し、旧ソ連も分解したが、左翼等一部の勢力はそれでも今なお幻想を潜在意識として保持している。例えば:
1、 フィリピンやベトナムと係争になっている南沙諸島に軍事基地を建設したり、中国船が頻繁に尖閣諸島や小笠原諸島の領海を侵犯、不法漁労をしたりしていることに対し、無言又は事実を淡々と報道する一方、アメリカや日本が防衛力を補強しようとすると声高に非難していることも証拠の一つであろう。
2、 イラクがクウェートに侵攻した際、一兆円余もの援助をクウェートにしたが、感謝表明された主要援助国15ヵ国の中に日本が含まれず、「金は出すが人は出さない」と間接的に非難され、その後日本はPKO等活動に自衛隊を派遣し、徐々に国際的な役割を果たすようになってきているが、これ等の行動を非難したり、果てには「日本は極右的にならんとしている」として非難したりする政党まである。
3、 自分の国は自分で守ろうと努力し、その上で同盟国との連携を強化するのは、当然の平和維持努力のはずであるが、これ等に対しても非難する。1967年6月中国天津滞在時中国で初めて水爆実験に成功したと報道された時、業界仲間達が大喜びした異様な光景を思い出さずにはおれない。当時中国側報道の一部として、「中華民族は米ソに対抗して水爆を保有するに至ったことを台湾人民も喜んでいる」と云うのがあったが、北朝鮮の原爆やミサイル実験に対する韓国側の反応も同胞への反応であろうか?!
4、 一方中国の経済発展は素晴らしいことだが、江沢民時代より資本家も共産党党員になれ、汚職が蔓延し辺鄙な農村の農民や中小工場の労働者は依然として貧しく、社会的格差が拡大していることに対して、昔抱いた幻想とは真逆な状態になっていることも中国問題をあまり語らず、報道しないのかも知れない。皮肉なことに改革開放により経済的には豊かになったが、モラルレベルは大変低下してしまった。
5、 昔ソ連貿易では買い付けに来日したバイヤーへのお土産は欠かせなかったが、中国のお客様は儀礼的な土産以外受け取らなかったが、改革開放後はロシア人以上に高額な土産を要求する様になってしまった。労働者の代表だったはずの官僚たちは、何時の間にか権力者となり、今では「権貴族」(特権階級の意)と云われるようになった。然し、日本でも共産党は民主集中制と云う“独裁体制”が維持しており、他の民主的政党や団体と異なり、内部の各種各様の意見や討論の様子は公開されない。

 昔左翼的マスコミや政党、団体、個人は熱心に中国問題及び日中関係について報道、発言、行動していたが、現在半ば無言になってしまったのには、上述の如き背景があると思わざるを得ない。世界的視点で見れば、中国のみならず日本も変わった国であるが、教育、交通、通信の発達は確実に大多数の人々を開眼させていることは信じて良いと思う。

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