前回、日本の“島国根性”に就いて若干記したが、本来混血だった日本人が時間の経過に連れて同化し、同一民族の社会の中で生活しているとの潜在意識になった。逆に言えばアメリカや中国のように、沢山の異民族が混在して頻繁に接触する機会がないので、他民族との相違点を意識することなしに生活することが習慣化したとも言える。
1、 ところが最近2-3年外国人と触れ合うテレビ番組が大変多くなった。来日旅行客が急増したこともあり、外国人との交流の機会が増えた為、日本(人)との相違点に関心を持つ人々も増えたからとも言えよう。外国の僻地で暮らし懸命に努力し現地に溶け込んでいる日本人、日本人も余り気付かなかった優れた技術や伝統を視察に来日した外国の専門家の動静等枚挙にいとまがない程増えている。
2、 以前よく言われたことだが、「街角のタバコ屋に明らかに外国人と見える人が道を尋ねようとすると、店番をしていたおばあさんは慌てて、学生の孫を呼んで英語で対応させようとする」は、半ば笑い話になっていた。中国であれば、当たり前のようにその土地の言葉で対応するが、他の諸国でも同様であろう。混合民族国家で生活していると、自然と他民族との違いが感じられ自我意識が強くなってしまうのでしょう。
3、 然し、日本(人)の特性を観察すると、殆どの日本人が意識しない極めて優れた国際性を有していることに気付く筈です。其れは“島国根性”とは、反対の状況とも言えるでしょう。有史以来、海外の文化を貪欲に吸収し、より一層品質を高めたり、多様化したり創意工夫をして来たことです。古代に於いては大陸や朝鮮半島から多くの文化を導入し、今でも学校教育でもきちんと教えていることは、大いにアッピールしてよいでしょう。江戸時代、既に7-8割の日本人は「読み書きソロバン」が出来たことが 、明治以降教育を普及徹底させ欧米文化を吸収するのに追い風になったことは間違いないでしょう。戦後暫くは何かと、「デモクラシー」とか「文化、、、」と叫ばれ、主としてアメリカ文化を吸収してきた。在日外国人比率は現在2%程度と僅かだが、それでいて多様な外国の文化が日本ほど定着している国は、他にはあまりないでしょう。
4、 一方最近は海外に留学する学生数が減少しているのは問題です。留学生の交換を含め、広範な領域での文化交流は極めて大切なことは論を待ちません。特に日本の若者が今後海外で活躍する為にも、外国語を学び外国の事情や国際的規範に精通しておくことは、極めて大切です。
5、 又大きな隣国である中国大陸との貿易規模の大きさに較べ、文化交流の規模は小さ過ぎると思います。例えば著名な中華系歌手にしても、テレサテン(鄧麗君)、ジュディオング(翁倩玉)、欧陽菲菲等は台湾出身、アグネスチャン(陳美齢)は香港出身であり、大陸出身者の活躍はあまり多くないのが実情です。更に欧米やロシアの民謡等は昔からかなり日本で知られているが、中国や韓国のものは極僅かでしょう。
 次回は平和維持(安全保障)に対する日本の異常な状況について述べましょう。

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