中国との付合いは「褒め殺し」が良いと指摘して来ましたが、相当する中国語は聞いた記憶がないので、辞書を見ると「捧殺pengsha」とあります。中国では日常的に多用されているので、「中華思想」同様特別意識せず常識となっていると受け止めるべきでしょう。
中国人同士の招宴に陪席したことが何度もあるが、歯の浮くような感謝の言葉や相手を褒め称える言葉が飛び交います。宴会終了後に相手を非難したりケチをつけたりするような言辞も多いので、私は何度も興ざめに感じたものでした。然し「郷に入っては郷に従え」の例えもあるので、多少は見習うべきでしょう。若干実例を紹介しましょう。
1、 日系企業で仕事をしていた時です。注文した材料の納入が遅れると、ある納入業者が平気で言ってきました。納期通り納入せよと部下を通じて連絡させたところ、営業部長が跳んできて、一週間ほどの納期遅れを認めてくれと言う。私の方より、「古代の日本人は中国より多くを学び中国人を尊敬している。現代でも当地の中国人は万難を廃して約束は守っている。中国は信義の国であると信じているが、貴方は本当に中国人か?」と言うと、一瞬相手は戸惑いながらも「勿論中国人ですよ」と言う。私の方より、「そうではないでしょう。貴方では話にならないから、心身共に本物の中国人の責任者と話をしたいので、貴方は帰って、総経理にそう報告してくれ」と突っぱねたら、彼の帰社直後に部下の方に「遣り繰りした結果、納期通り納入できるようになった」との連絡が入り、一件落着となった。部下に探らせたところ、どうも大口ユーザーへの納入を優先しようとしていたことが分かった。
2、街のレストランで飲食をしていると、時には中国人客からからまれることがある。
  「お前は日本人だろう。日本人は大陸で悪行の限りを尽くしていながら、今なお態度が大きいとか、歴史認識がたりない等々」非難されることも時にはあった。その様な時には、まともには相手にせず、「昔私が日本人紅衛兵と言われた時には、毛沢東語録を勉強した。語録の一節に『中華民族は偉大な民族である、日本民族も偉大な民族で、長期に亘りアメリカ帝国主義が君臨することは許さないであろう』と言って居る。日本民族は偉大な民族とは思わない。皆さんが言う様に国土も人口も正に“小日本”である。中国人が自国の文化や歴史に誇りを持っている様に、日本人も自国の文化や歴史に誇りを持っている。一時期の不幸な歴史だけでなく、お互い夫々の文化や歴史に対して尊重し合うのは友好関係の維持、発展に有利ではないかと指摘したこともあります。

 

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   柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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