幹部社員や取引先との飲食・懇談は、皆さんも日本同様されていると思われますが、私の経験とそこからの教訓を若干紹介しましょう。経験と言うのは主として地域別ですが、最近は何処でもやや乱れています。5ヶ所のみ紹介します。
1.☆ 北京:700年余首都であった為か、座席の選定を含めやや格式ばっています。酒は主として度数、53-56%の強い白酒です。客(部下であっても)を立てるのは全国共通です。伝統的老舗(老字号)料理店にはいろいろ逸話があり、お奨めです。
  ☆ 上海:強い白酒を嫌い紹興酒(度数18%程度)とかワイン主体で、所要時間も短いのが一般的です。国際都市との潜在意識があるようです。
  ☆ 武漢:ビール用の大きいグラスに並々と強い白酒を最初に注ぐ場合が多いが、一気に飲む必要はありません。“楚国”の伝統かやや豪快な雰囲気を楽しみます。
  ☆ 寧夏:やはり白酒主体で、漢餐(中華料理)では、豚肉も出ますが、羊肉が中心で丸かじり等ワイルドです。味付けは回民(イスラム教徒)好みです。
  ☆ 大連:最も日本人の好みに近いでしょう。白酒も42度程度のものもあり、日本の
   焼酎(沢山の銘柄がある)でもよいでしょう。
2.中国では何処でも、酒を相当飲んでも暴言を吐いたり、乱れたりしません。若しそうでないと大変見苦しいと思われます。又部下に対して酒の勢いで日頃言い難い事を言ったりすると、男らしくないと見られます。尤も中国人同士の宴会でお互いに褒めあい、感謝しあいながら、宴会終了後相手側の悪口を言うのを何度も耳にしましたが、これも頂けません。素行や仕事ぶりが好くない幹部社員には酔ったふりして10の褒め言葉を言った上、一つの厳重忠告を言うのが効果的でしょう。
3.上手な酒の飲み方:中国人は自分が接待された立場でも盛んに酒を勧め、酒に自信ある日本人でもダウンしてしまうことがあります。昔ある中国の友人が教えてくれた「酒飲み三か条」を紹介します。
  ① 宴会開始前に水(ペットボトルがベスト)又はお茶を用意して貰い、いきなり白酒で乾杯せざるを得なかった場合は、即目立たぬように注意しながら水を飲む。
  ② なるべく早目に脂っこい料理に口を付ける。
  ③ 酒を飲む場合は、部下との飲食であっても必ず、「xxxの為に乾杯」と言ってから、酒を口にする。乾杯と乾杯の間に勝手に一人で飲むことは避ける。酒好きの日本人はこの傾向が強く、結果的に中国人より沢山飲まされる。
    柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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