解雇や懲罰に関する経験を紹介しましょう。プライバシーにも関わる問題故、場所や
時期などぼやかして記すが、ご了承願いたい。
1.事務所で使用していた古いタイプ机が不要になったので、数キロ離れたところにある倉庫に運ぶよう、ある運転手に命じた。すると彼はタイピストに同行を求めたので、一人で行くよう要求したが、彼は「私は運転手なので、車の運転のみします」と言う。
普段から勤務態度が良くなかったので、「分った。タイピストの代わりに小生が行く」と言って、車まで私が小さいタイプ用机を運んだ。彼は恐縮して手伝おうとしたが、軽いから手出無用と断り車に同乗した。車中「我社は社員の多機能化を勧めているが、君は協力的でない。これでは君の我社に於ける将来性はないと心得よ」と通告した。
数日後、退社願を出してきたので、即受理した。
2.別な運転手は手広く何でも手伝い、庶務的な事項など進んで担当したが、一つだけ
大きな問題があった。それは顧客に配る宣伝を兼ねた小物類が、どんどん減ってしまう
情況があり、営業担当者が「これは彼の仕業だ」と異口同音に言う。確たる証拠は無いが、十中八九間違いないと判断した。そこで、小物類管理を彼に任せることにした。
当初社員達は唖然とした様であるが、それ以降、在庫、入出庫、持ち出し者、提供先等
に不都合は発生しなくなった。数年後彼は模範社員となった。
3.倉庫管理をしていた女性のベテラン社員に、今後屋外での保管品の管理も担当する様命じたら、「それには別の担当者を任ずべきです。この様な兼務は中国の長い伝統に反することはご存知でしょう」と食いついてきた。「分った、それでは倉庫管理に関することは全て君一人でやれ」と指示し、時々見回ったところ、重たい物品等の上げ下ろしに男性社員の助けを求めていることも分り、趣旨を説明し援助協力も禁じた。暫くして、「野外保管も担当するから、男性社員の協力要請も認めてくれ」と言い出し、一件落着となった。
4.中国での大学の急増に伴い、大学を卒業しても希望通りの職種に就職出来ず、工場での作業員として入社してくる者も多くなった。ある時、経験豊富な中学、高校卒の作業員達から、集団で強烈な抗議を受けた。「半人前の仕事しかしない員工が、大卒だとの理由だけで、我々より沢山給料を貰うのは不合理だ」との主張。尤もな話であり、学歴手当を大幅に下げると同時に、技能手当を少し多くして処理した。暫くすると、大卒で且、“不良社員”と見られる連中が、自分達から退社し解決となった。
柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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