1、 中国―韓国の相違点:中国だけでなく韓国にも「小中華思想」があると言われるが、私の経験では基本的なところで異なると思われる。「虚勢を張ることが多い」とか、「その場しのぎのことを平気で言う」とかの傾向が強い他に、韓国人にはとかく「自画自賛」が多く、やや狭量と思われる。前回で紹介した如く、殆どの日本人も中国人も知らないことだが、北朝鮮の歴史博物館では朝鮮戦争は、中国の義勇軍の参戦もソ連の武器援助もなかったことにしていたり、韓国ではソウルにあった元日本の総督府を破壊撤去したりしたが、中国では至る所で、日本を含む列強諸国の残した建造物を再利用している。上海市中の黄浦江西岸の外灘にある大きな西洋建築は英国租界時代の建造物であるが、その他沢山の旧租界地の建物が再利用されている。武漢市漢口地区にある旧日本租界の憲兵隊宿舎が保存されているのは、前にも紹介した通りです。
2、 Balkan’sKorea:40年余も前のことであるが、東欧諸国との取引にも参画したことがある。その中でルーマニアのみは他の東欧諸国と異なり、日本同様女性言葉が多いとか人種的にラテン系だと言われた他に、ルーマニアとの付合いの古い先輩達はみんな「ルーマニアはバルカンのコリアだ」と言う。意味するところは、「歴史上周辺諸国から再三にわたり攻略・蹂躙された為、その場を取り繕い、虚勢を張ることが習慣化しているので、言葉通り単純に信じてはいけない、真偽の程をよく確かめねばならない」との
教訓だったが、世界史的には有史以来攻略したり攻略されたりしたことが数えるほどしかなかった日本がむしろ、例外的存在であろう。元商社マンとしては、日本人は何のかのと言いながら“単純で純朴”だと痛感します。
3、 人種と民族:この両者を混同する人が多いので、再三強調致したく。例えば日本人は縄文時代のモンゴル系の人種がベースだったが、中国華東地区、朝鮮半島、更には南洋諸島からの渡来人が交り合い、現在の日本人になった。斯様に血統的に見るのは人種的区別です。私の見方では沖縄人こそ本来の日本人(縄文人の血統が濃い)であり、北海道に住んでいるアイヌ人は人口10万人未満となったが、やはり北方系縄文人の後裔と言えます。日本では人種の区別が民族の区別と類似しているが、シンガポールや台湾、香港に住む多くの華人(中国系の血を引く人達)は、人種的には同類と言えるが、最近では中国大陸に住む中国人と同じ民族と見られることを嫌う傾向が強まっている事例が、再三報告されています。シンガポールでは、華人ではなくシンガポール人だと称し、同様に現地人は台湾人とか香港人と認識している訳です。風俗、文化特にモラル面で大陸の中国人とは区別したい意識が強まり、広がっており独自の民族意識が出来つつあるとも言えます。
 私は、寧夏回族自治区の北方の石炭の街に2年間仕事で滞在した時感じたのは、現地の漢民族の若者達は、現地生まれで上海や深圳等に行くことに憬れていたが、彼等の立居振舞は漢民族と言うよりは、回族に近いとの印象を持ったものです。

 人類も他の動植物同様、環境の影響を受けて変化していくことは、如何なる力を以てしても変えられないようです。毎日の仕事や生活に追われていると、とかく物事の本質を見誤りがちですが、時には一歩自分を抑えて、大所高所からの考察が必要と思いますが、如何でしょうか?

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