「どうも仕事がザツで困る、なんとかならんか!?」と、思っていませんか?
 下記の如き事例を、幹部を通じての社員教育にご利用下さい。
1、随分昔の話です。東京オリンピックのあった1964年、私はオーストラリアに商社の
駐在員として赴任しました。前任者との引継打合せの後半で、「理髪店やクリーニング店は中国人の店を利用した方がいいよ」と教えられました。当時日本人はあまり歓迎されておらず、日本人経営の店もありませんでした。第二次大戦で日本の特殊潜航艇がシドニー湾まで侵攻したこともあり(キャンベラの博物館で捕獲された潜航艇を見せられたこともある)、対日感情が悪かったが、一方香港がオーストラリア同様英連邦の一地域であった関係上、多くの中国人が移住して来ておりました。兎も角、オーストラリアでは、日本人程ではないが、中国人の理髪技術は高く、仕事も丁寧であると思われていました。クリーニング屋も同様でした。
2、中国各地にある友誼商店やデパートの工芸品コーナーには、必ず刺繍品や各種の玉器があります。子猫の両面刺繍等その仕上げ加工は素晴らしく、多くの日本人観光客の購入対象品になっています。中国での駐在生活が長い私は、これ等を生産している蘇州の刺繍工場(研究所と称していた)や玉器工場参観も何度も参観しました。作業者は特に高級工程師と言うことでもなく、普通の熟練作業者です。従い、みなさんの工場の作業者も指導育成次第で、同様な緻密な作業者に変化し得るのです。特殊技能手当を厚くするなど、若干の待遇改善も併用すれば、より効果的でしょう。
3、汕頭のハンカチも緻密な両面刺繍が施されていますが、昔から代表的土産品となっていました(実用品ではなく、本来貴婦人のアクセサリー)。最近では「イグサ」を用い製造された各種寝具やソファー用品もデパートで見かけますが、仕上げ加工も素晴らしいと思われます。多くの中国人は、本来手先が器用であり、どこまで本来の潜在能力を発揮し緻密な作業をマスターするかは、指導育成次第だと確信致します。
4、「中国人は、大陸的で何事も大雑把で変わらないよ」と思っている人は、日本人に限らず、中国人の中にもいますが、一側面に過ぎません。以前にも触れましたが、文革前の中国は何処に行っても、清潔で無駄がなく、約束時間も順守し、人々は助け合い、街中でよく見かけた行列も、割り込む人はいませんでした。信じない従業員には「祖父母など老人に聞いてみなさい」と断言して下さい。文革で秩序が破壊され、改革開放で経済発展したが、反比例してモラルレベルが低下したとも言えます。必ずや回復すると信じます。
    柳沢経歴 http://www.nakatsu-bc.co.jp/komon/komon-2.html
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